Blender LTSって何? 2.9等のバージョンとの関係は?

2020年5月9日

別記事にてBlender 2.9αが解禁された旨の記述をしたものがあります。

その文中では、Blender2.9の正式リリース日についての記述をさせていただきました。

その時に参照サイトとしてBlenderの公式サイトのリンクを貼り付けたわけなのですが、そのページに記載されているBlender LTS

これっていったい何なのでしょうか? Blenderのまた新たなバージョンか何かなのでしょうか?

 

 

Blender LTSって何?

さっそくですが、Blende LTSとは何のことなのでしょうか。

 

 



LTS = 長期サポート

まずはLTSの意味ですが、これは「Long Term Support」の略で使われています。

つまり「長期サポート」という意味合いになります。

 

Blender LTSは「Blender 長期サポート版」という意味になります。

 

 

Blenderのバージョンの種類ではない

LTSはBlenderの「バージョンの種類」という訳ではありません。

例えば「Blender2.82からBlender LTSにアップデートするぜ!」なんていう会話は違和感のあるものとなってしまうのです。

 

・・・ただし、以下のような理由から、「絶対的に間違っている」という訳にもいきません。

 

 

LTSはバージョンの特性

こちらをご覧ください。

 

 

2020年 2月 2.82
2020年 5月 2.83 LTS(2年サポート)
2020年 8月 2.90
2020年 11月 2.91
2021年 2月 2.92
2021年 5月 2.93 LTS(2年サポート)

 

LTSはバージョンの特性のようなものになるのです。

例えば、2020年5月現在で組まれている予定では、Blender2.82の次がBlender2.83というマイナーアップデート版になる予定です。

そしてこのBlender2.83は、「同時にLTSである」ということにもなっていますね。

 

つまりはLTSは「LTSか」か「LTSではない」かのものになるのです。

「2.82」とか「2.83」などと言ったものと比較できるようなものではありません。

 

 

2年間のサポート

長期のサポートということですが、具体的には上で説明を挙げたように2年間のサポートということになります。

その間にもどんどんとマイナーアップデートがされていくため、ある時からサポート対象のものが重複します。

多い時期では3つほどに重複してしまう場合にもなってくるでしょう。

 

 

サポート内容

では続いて、どんなことをサポートしてくれるのかを確認してみたいと思います。公式サイトによる該当箇所を以下に切り抜きます。

 

さっとGoogle翻訳に掛けてみると、以下のようになりました。

ブレンダーLTS

 

最初の提案は、毎年1回の長期サポート(LTS)リリースを行うことです。

このリリースは、互換性を厳密に維持しながら、重要なバグ修正と新しいハードウェアの更新で2年間サポートされます。

 

今LTSを行う正当な理由は、過去数か月の修正とパッチに焦点を当てていることです。

次のリリース(2.83)は大きいですが、比較的実験的ではないため、しばらくサポートを続けるのに適しています。

LTSバージョンは、LTSバージョンで開始されたプロジェクトが同じバージョンで妥当な時間内に完了することを保証するのにも役立ちます。

大規模なプロジェクトのスタジオだけでなく、アドオンのメンテナンスにも最適です。

 

LTSの「契約」に対する驚くべき量のリクエストは、社内でより厳密なインストール手順を持っている企業から来ました–さまざまな理由で、個々の従業員にリリースをダウンロードしてほしくない。

インストールが制御された公式のLTSは、手順に非常によく適合します。

このトピックについては、今後の期間でさらに調査する予定です。

 

私たちの日常のテスターとアーリーアダプターにとっても、これは朗報です。

つまり、通常のリリースで実験的機能と新機能をより簡単に追加できるようになります。

新しい機能と改善の継続的な流れを期待してください。この急速なリリースのペースは、新しい機能をユーザーにすばやく提供するのに最適です。

 

この文章からは、“1:互換性を維持させてくれる点”と、その上で“2:重要なバグの解決や新しいハードへの更新も行ってくれる点”を約束してくれているように読み取れました。

後半は、そのことに関する具体的な説明となっていますね。

 

 



個人が趣味で楽しむレベルであれば気にしなくてOK

このように、LTSはバグ修正更新に関するサポートになってきます。

説明の後半にもあるように、主に企業で使用される場合を想定としたものになっているようですね。

そもそも長期サポートの話が企業ユーザーからの要望が多かったため、浮上してきたとのことですから・・・。

 

このため、僕のように個人で使用する分にはそこまで気にしなくていいものであるように思います。

今まで通り、新しいバージョンが出てきたら、いつも通りにダウンロードしましょう。

 

 

技術サポートは受けられない

「Blenderの使い方が分からない、でも『長期サポート』が受けられるのであれば、使い方を教えてくれるかも!?」

もしもそのように期待をしている人がいらっしゃったのであれば、それは夢と消えてしまうことになってしまうでしょう。

 

説明の通り、LTSは仕様やインストールに関するサポートになります。

技術的な話。

例えば「これを作りたいけど、作り方が分からない!」

「こんな表現をしてみたいのが、最適な表現方法はないだろうか」

といった要望に対するサポートは受けられないものであると思っておくべきでしょう。