Blenderの配列モディファイアーを使って、簡単に時計盤を作ってみる!

2020年12月7日

今回の記事では、Blenderの「配列」モディファイアーを使って、時計盤を作ってみたいと思います。

 

 

配列モディファイアーで時計盤を作る!

規則的な形をした、単純なものをモデリングする場合に重宝するのが「配列」モディファイアーです。

当ブログでも僕がオススメしているモディファイアーの一つとなります。

 

今回のモチーフである「時計の文字盤」は、基本的には円形をしています。

つまり、回転軸を設けておけば、それを一周させてしまうだけで、簡単にモデリングが出来てしまうのです。

 

関連記事:Blenderのボーンコンストレイントで時計の機構を作る!

 


配列用のベースを作る

配列にはベースとなるものが必要です。

このため、まずは配列のベースとなるオブジェクトを作ります。

 

 

円柱オブジェクトを追加

今回は円柱メッシュから作っていこうと思います。

Shift+Aで円柱を用意します。

 

 

この時、頂点数を任意の数に調整しておくと良いです。

時計は12時間分の時刻があります。

つまり頂点数も12の倍数にしておくと良いです。

今回は頂点数を12×2=24個にしておきました。

モデルを追加した直後に左下に出てくる「円柱を追加」の頂点数を24にしておきます。

 

 

面を24分割する

今回のモデリング方法は、1時刻分を12倍に円形配列することを想定しています。

このため、12~1の区間だけを残し、残りの11時刻分を削除すことにします。

 

今のこの段階では、ただの頂点が24個あるだけの頂点です。

上面にはまだ辺が一本も通っていません。

変を作り、ピザの一欠けのようにピースを残します。

まずはとりあえず、これを頂点の数だけ(つまり24)分割します。

 

面を、頂点の数だけ分割するには、以下の手順を踏めば簡単にできます。

まずは面を選択し、①Iキーを押して面をインセット(差し込み)します。

インセットされた面の内側が全選択されているので、②Mキーを押して頂点を中心にマージします。

こんな感じ。

 

マージまですると、綺麗に上面が放射状に24分割されます。

こんな具合ですね。

これで心おきなく頂点を削減することができます。

 

配列用のピースを仕上げる

上面が24分割できれば、11時間分のメッシュは全て削除しましょう。

今回は1時間あたり24÷12=2面必要なので、残りの22面分を削除します。

例えば、このように残したい部分以外のすべての頂点を選択して・・・

 

Deleteキーで削除。

まぁ方法はなんでもいいと思います。

これで配列用のピース(欠片)が完成しました。

 

 

配列モディファイアーを設置

ベースが出来たら、円形に配列させます。

 

頂点を回転軸に合わせる

まず円形に配列する際に重要なことは、オブジェクトの原点を回転軸に合わせる事です。

オブジェトは原点を中心にして回転します。ここがずれてしまうと、綺麗にならべることが出来ません。

オブジェクト頂点の詳しい調整方法は、別の記事をご確認ください。

 

 

 

エンプティを設置

回転軸に頂点を移したら、そこにShift+Aでエンプティを設置します。

エンプティは、配列する際のコントローラーのような役目になります。

1時間に短い針が進む角度は、360÷12=30度ですね。

つまり、配列時にはエンプティを30度だけ回転させれば綺麗な円盤を作ることができるというわけです。

 

 

モディファイアーを設置

さて、すべての下準備が整いましたら、モディファイアーを設定します。

数=12、オフセット(OBJ)にチェックを入れて、オブジェクトに「エンプティ」を指定します。

この状態でエンプティを回転させると、エンプティの回転に合わせてベースで作ったメッシュが円形配列されます。

 

このように。

これは、ちょうど時計の針の「12」~「1」の部分を他も使いまわしているようなイメージです。

 

 

配列を使って楽にモデリング

設定に慣れるまで面倒かと思いますが、配列を使えば楽にモデリングを行うことができます。

また、修正が必要になった場合も、比較的楽に直すことができます。

制御する頂点が少ないため、手数を入れる必要がないのです。ここから、配列を使って少し追加でモデリングをしていきます。

 

 

縁(フチ)をモデリング

モデリングというほどのものではありませんが、円形配列が聞いていれば綺麗に・簡単に、変形を加えられます。時計盤の縁を作ってみます。

ループカットが使えないため、細分化によって頂点を増やしました。

これをGGで先端にスライド。

狭くなった面を2つ選んで、Eキーで押し出す形で縁を作りました。

 

 

模様を入れることも可能

配列が効いているため、円形に模様を入れることもできます。

以前にタイヤのモデリング記事をご紹介しましたが、あのときのような感じですね。

やってみたい人は、ぜひやってみてください。

 

僕は「時計の針」が回る部分を作ってみました。

※写真の中央部分

 


時字を配列で作る

時計盤が出来たら、時字も作りましょう。

「時字」とは、時計に書かれている数字やメモリの事です。

 

円形配列を使えば簡単!

時字も円形配列を使えば簡単に作れます。やり方はさっきと一緒。

回転軸にエンプティを設置して、回転オブジェクトにエンプティを指定。

そして必要な角度を回転させればOK。

 

さっきと全く同じ要領で、時字も作りました。

時字も数=12に設定されているため、必要な回転角度は360÷12=30度です。

このように、綺麗に一巡します。

 

針を作って完成!

とりあえず今日のテーマである「配列」に関しては、以上でいいかなと思います。

後は、ノリで針を作って完成です!

 

秒針、分針、時針。

それぞれを作れば、こうなります。

この時計が示している時刻は0時0分0秒です。

次回当たりでは、時計の針を簡単に動かす機構を作ってみようかなと考えています。

興味のあるかたは、是非見てみてください。