「話にならん!」と言ってキレる人、その原因の大半は本人にあるという件

2020年2月8日

当記事における人物や商品は、実際の登場人物や登場する商品などの情報からはボカされて表現であったり、一部改変させた状態で記載させていただきます。

あらかじめご了承ください。

 



半年前に買った商品の付属品の無償送付を求められる

僕はたまに顧客からのクレームの電話が入ってきたときに無理難題を要求を受けることがあります。

そういうときはそのときの要求と客にかけた迷惑の度合いを天秤にかけて、自分の決裁権の許す範囲内で少々のサービスを施してあげることはあります。

しかしそんな時でも一方的な要求を申し付けてくるお客がごくたまにいます。

例えば今回ある商品を買ったのだが、「付属品のAが入っていなかった、今すぐ用意しろ。」

一見するとまともな言い分ですし、販売したこちら側としてもこの内容であれば誠心誠意対応をすることはしかるべきではないのかなと思います。

 

しかしこのお話には一つ裏話があります。

そう、このお客さん、この商品を購入したのが開封する半年も前だったのです・・・。

さすがに半年も前に買ったものの付属品を今さら無償送付するなんてわけには行きません。

なぜならば返品対応をするにあたって、半年という期間があまりにも長いからです。

半年もあれば、例えばですが実は他の場所で一度開封して、その時に備品をどこか別の場所に出してしまったかもしれません。

もしくは半年の間に、これだけメルカリなどのフリマアプリがはやってしまっているわけですから、そういったものを抜きとってお金にしてしまった可能性だって考えられるわけです。

 

もちろんこちらから送付をする段階ですでに備品が入っていなかったという可能性もあります。

いわゆる検品漏れですね。

しかしこちらとしてはそれを認めることは難しいです。

なぜならば半年という期間があれば、上に挙げたような様々な事が起きてしまう可能性の方が強く考えられてしまうからです。

 

このため僕としては「無償送付することはできません。購入し直してください。」という訳なのですが、ここでこのお客さんからタイトルのような発言が飛んでくるわけです。

「話にならん!」と。

一応僕の言い分は筋が通っているはずなんですけどねぇ・・・。

そもそも購入して半年間も開けずに今更何をいうんですか状態ですね。

購入しなおしの体でいくとしても別にこちら側はお客さんの購入を拒否をしているわけでもないのですから購入すればいいと思うんですよ。

別にそんなに高価なものでもないんですし。

 

しかしいくらこの辺りのこちらの意図を説明したところで、このお客さんは納得してくれません。

「元から入っていなかったんだ!」

基本的にはこの一点張りでした。

電話越しの雰囲気的にも、本気で元々入っていなかったということを主張してる様子はありました。

僕としてもこの人の言っていることだったり思いだったりを絶対的に疑っているわけではないんです。

しかし何かの拍子でタンスの裏からポロっとでてきてしまうことの方が高いんじゃないかと思います。

その瞬間から、このお客さんも怒ることを忘れて「あ、あったわ!」てな具合に感情が落ち着くんじゃないかと思うんです。

 

念のため上司に確認してみる

まぁ一応念のためにうちの会社の決裁者にも相談したりしてみたんですが、僕が上に書いたことと同じで、申請してきたタイミングが購入からだいぶ時間がたっているため不可とのこと。

まぁそりゃあそうですよね。

特別によく買ってくれているお客さんっていうわけでも無かったので、ここで過剰サービスをするわけにもいかないだろうというのが当時の決裁者の判断でした。

 

「信用を失う」という言葉で脅してくる

そうすると今度はこのお客さんは「そんな対応をしていると、信頼を失うぞ!」ということを言ってきました。

僕としては「ここで無償送付をしてしまう方が企業としての信頼を失ってしまうことに繋がるんじゃないか・・・」

そう思ったりもしたのですが、なんかこの発言に対してはお客の「藁にもすがるような思い」が込められているように感じられてしまったので、一瞬だけちょっと心が揺れ動きそうになってしまいました。

 

いやしかし、ここで無償送付するわけには行かない!と自我を戻して、改めて突っぱねます。

情に流されては仕事になりません。

「それでもかまいません。」と。

ちょっとかわいそうな気もしますが、ここで一度哀れんでしまうと未来永劫付け上がってきてしまう可能性があります。

しっかりと突っぱねるときめたのであれば突っぱねるようにしないといけませんね。

 

そんなこんなしているうちにこのお客さんも威勢を張るのをあきらめたのか知りませんが、いったん電話が終了した後にしばらすくるとオーダーが入りました。

注文された商品は、例の論争になった備品です・・・。

 



他社の商品と交換しろと要求される

別のお客さんからも似たような感じで揉めたことがあります。

 

お客さんがあるウェアラブル商品を購入したんですが、どうやら自分の体に合わなかったようでした。

で、この商品の類似品が実は競合他社でも販売されており、それをお宅でも取り扱って販売しろとのクレームが入りました。

まず自分の体に合わなかったという点については、こちらとしても詳しいサイズを記載して「お間違いがない様に」と謳っているため、僕としては「知るかよ・・・。」といった感じだったのですが・・・。

まぁそこはいったんは謝っておきます。

もしかしたらこちらの配慮不足かもしれません。

例えば直径4cmの球体があってそれを販売したところ、購入したお客さんから「この曲面の曲がり具合が記載されていなかったから俺の思っていたのと違う! 他社の球体だったら俺のイメージ通りだからそれを売れ!」という主張の前半部分がこれにあたります。

(自分でも今のこの例文は書いていて少々意味が分からなかったのですが(笑)、まぁそれはおそらくは登場人物と商品を架空の者に変換させて記事を書いているからだと思います。)

 

とにかく100歩譲って前半部分は譲歩するとしましょう。

弊社の商品購入は所詮カタログや電話によるやりとりがメインになってくるわけです。

このため購入者としては届いたものが思っていたものと違うということが稀にあって問題となり、しかも身に付けるものであるからそのイメージとやらが重要になってくるわけですね。

あくまでも購入者側での視点でのお話です。

こうならないためにも、弊社としてはしっかりと数値的なものや、色のイメージなども言葉で分かりやすくしているわけでありあます。

このあたりの認識の誤差によるクレームであれば、少々こちらとしても対応を検討しなくてはならないかと思います。

 

しかし。

そのお客さんの言う後半部分「競合他社の類似品をお宅でも売れ」というのはどうしても意味が不明です。

(だったらそこで買えばよかったんじゃ・・・。)

そう思ったりもしました。

そしてそれと同時に、そんな要求なんて今までの業務のうちで当然受けたことがなかったので、「もしかしたらできたりするんじゃないかな」と、単純に興味がわいた自分もいました。

もしかしたらできるのではないか?そう思って、会社のバイヤーなどに確認してみました。

会社の制度に対する興味とでも言いましょうかね。

 

ただし返事はなんとなく予想はついていましたが「無理」でした。

「そもそもなんでそんなことするの?」と聞かれたんですが、僕としても無理だとは薄々思っていたんですが既成概念にしばられるのが嫌だったので思わず確認してしまったんですね。

あとこのお客さんのオーラに恥ずかしながら負けてしまった部分がありました。

 

相手は「自分が正しい」と思い込んでいる

このお客さんの放つオーラを例えて言うならば、高須クリニックの高須先生のような感じが近いかもしれません。

まぁ高須先生にお会いしたことは無いんですけどね!

あと念のために申しておきますが、ここでは高須先生のオーラがいいとか悪いとか、そういった話はいっさいしておりません。

 

高須先生ほど影響力は当然ながらそのお客さんには備わってはいなかったんですが、サイコパスっぽさが何となく似ていたというか。

高須先生も自分が正しいと信じた主義や主張と対立するのであれば相手の意見は必ず間違っているということで、自分の信念をかたくなに曲げずに相手を攻め続けるところがあるように思います。

高須先生の場合はその「自分が正しい」と思っている点が世の中のニーズや価値観と比較的マッチしているところも多いため大きな問題にはなりにくかったりするのでしょう。

しかしこのお客さんの場合はまったく訳がわからない、少なくとも世の一般論と比較するとミスマッチな部分が多かったりしていたため、この度は弊社とバチバチと反発してしまったのでした。

 

結果、「こういったお客が発端ではありましたがいったん既成概念に縛られずに他社のOEMとしてうちも販売する方向で行ってみるのも面白いのではないか?」

こんなことを思って社内で相談はしてみたんですが、しっかりと「不可」と言われてしまったので、あとはお客とのバトル開始ですね。

会社からしっかりと不可の指示を受けた僕は思う存分相手とバトルすることに。

相手は高須先生のような頑固な信念を持った人物だったので苦戦しましたが、結局送料分含めて返品を受けてチャラにするということで話が決着しました。

きっぱりと返品要求も突っ返すべきだったので、ちょっと悔しいですね。

 

結局このお客さんも自分の中に自分なりの筋があって、それにそぐわない行動をこちらがしてしまったために「話にならん!」と感じてしまって燃え上ってしまったのではないかと思います。

しかし客観的に考えてみればこのお客さんの件でも、「話にならん!」と言っているお客さん側の筋が無茶苦茶であったことがお分かりいただけたかと思います。

 



もちろん「話にならん!」と言われてる側に問題がある場合もある

今回のお話のテーマは「話にならん!という人がいたら、話になっていない原因はその人の方にある」という旨のものになりました。

しかし必ずしもそういう訳ではないということはこの場でしっかりと述べさせていただきたいと思います。

「そういう訳ではない」のはなぜかというと、実際に話にならん!と言われている側にも問題がある可能性もゼロではないからです。

上の「僕 VS お客さん」の構図でいうならば、これまでは全てお客さん側に原因がある理由を説明させていただきましたが、僕の側にも原因がある場合があるということになりますね。

そもそもなぜ「話にならん!」と人は言うのでしょう。

その字面があらわすように、何かの交渉事などが発生しているときにまともに話が噛み合っていないと「話にならん!」という発言が飛びます。

つまり自分だろうが相手だろうが、お互いの意見や価値観が乖離しすぎているとこの感情は生じてきてしまうのです。

 

それでも相手のことを下に見るような人とではなければ基本は言われない

またそれと同時に「自分の方が偉くてまともなことを言っている」というような自信がその人の中に備わっていることも一つの条件になってきます。

基本的に相手を下に見ている場合ではないと「話にならん!」という発言を口にすることはないはずです。

相手との交渉ごとにおいてあまりにも自分側が論点からずれた頓珍漢なことばかり言っていると、知能レベルを低くみられてしまって「話をするに値しない人物」であると判断されてしまう可能性があります。

そうなってくると例え相手に問題が無い場合であっても、相手方が対峙しているのは「話を分かっているかいないのか不明瞭な人物(自分)」であるため、ぽろっと「話にならなん!」という言葉で漏れ出てしまう恐れがあるのです。

 

このことは逆に言えば、こちら側(自分)がしっかりと話の本題を理解して理屈で身を固めているのであれば、この辺りの問題がクリアされることを意味してもおります。

少なくともまともな相手との揉め事や交渉では「話にならん!」という言葉は聞こえないはずです。

 



まとめ

基本的には「話にならん!」という言葉は、交渉事がまともに執り行われているのであれば口から発せられれないような言葉になります。

もしも交渉ごとの中で相手の口から思わずポロっと漏れ出てしまったのであれば、どちらかの論理が破綻をしていてまともにコミュニケーションが取れていないことを表していると思っていいでしょう。

大体はその言葉を発した方に問題があるケースが多いのですが、稀に本当に言われている側が頓珍漢なことばかり言っており、そちらに問題あるケースもあります。

そうならないためにも交渉事を行う際にはしっかりと物事を理解して、理屈で身を固めてから臨むようにしましょう。

 

●今回のまとめ

対等な交渉事では「話にならん!」という言葉は本来は飛び交わない。

仮に飛び交ったのであれば、それはその発言をした側の理解が追い付いていないことが理由である場合が多い。

もちろんその発言を受けた側に問題がある場合もあるため、大切なことは交渉ごとの本質を理解して、しっかりと論理展開をすること。