BlenderとZbrushCoreでオリジナル指輪を3Dプリントできる3つの手順!

2019年11月5日

ZbushとBlenderで3Dデータを作成すれば、簡単に3Dプリントで出力してオリジナル指環を作ることができます。

 

手順は3つ。

1:Zbrush CoreとBlenderで3D原型データを作る

2:STLファイルへ変換する

3:3Dプリントする

 

たったこれだけで簡単にオリジナル指環がつくれちゃうんです!

ただこの手順のそれぞれが濃いので、なかなか時間がかかってしまいますね。(笑)

ちなみに出来上がったオリジナル指環を装着している僕の写真はこちらになります。

 

 

 

1:3Dデータの原型づくり

Zbrush Coreという3万円くらいでできるZbrushの基幹機能だけが永久的に使えるソフトを使って、まずは原型を制作しました。

ちなみにモデルは昔働いていた職場にいた同僚です。

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正直この程度の造形であればZbursh Coreで十分ですね、写真もZbrush coreの画面のスクリーンショットを撮ったものです。

無理して10万円ほどするプロVerを購入する必要性はとくにないんじゃないかなぁと思います。

 

プロVerであれば、どうやら細かい設定や操作性があるようです。

ただ僕のように粘土を捏ねて、原型データを作る程度の使用であれば正直いらないと思います。

Coreのデフォルトで入っている機能で十分です。

 

というか、そもそもZbrushCore自体が無料ではないですからね!

今現在公式ページで確認してみたところ、現在は21000円(税別)ほどの値段でDL販売されているようです。

公式サイト(/oakcorp.net/pixologic/zbrushcore/purchase/)より

 

まぁ・・・プロ用にその差およそ8万円の分の価値を見出せるかといわれれば、趣味程度の遊びには不要だと思います。

 

ちょっと話が脱線しましたが、Zbrushである程度の原型ができましたら、3Dプリントするための下準備としてBlenderに移すことを推奨いたします。

 

2:STLファイルへ変換する

Zbrushでの原型がある程度できたらZbrush上でSTL形式で保存するんですが、ZbrushからSTLへ保存をすると形態が崩壊してしまいがちです。

これが「いい感じ」に崩壊してくれていたら特に問題ないのですが、大体が「悪い具合に」予期せぬような崩壊をしてしまいます。

その修正にBlenderを用いました。

頂点を一つ一つ位置調整するような、それこそ手作業で行うような地道な作業です・・・。

これはZbrushの機能や性能が悪いとか良いとかそういう話ではなく、高解像度で処理できるZbrushから主に3Dプリンターでの出力用に使われる低解像のSTLファイルに変換することで生じてしまうどうしようもない現象なのです。

せっかくの高画質カメラで撮った写真も印刷機で出力するときなんかに画質が劣化してしまうことがあるかと思いますが、例えていうならばあんな感じですかね。

 

写真印刷の場合は、もしかしたら印刷機を高画質対応のもので行えばこの辺りの問題はクリアできるかもしれません。

ただ3Dプリンターの場合では、どうしても今の技術だと「低画質」なデータではないと処理ができないのです。

このため一度3Dデータの「画質」を落とす工程が必要になってくるのですね。

 

ん? Zbrush使う必要ないんじゃね?

「結局Blenderで修正するんだったら、もしかしたら最初からBlender使えばいいんじゃないの?」

そう思ったあなた。

仰るとおりです。

結局Blenderで低解像度にするんだから、最初っからZbrush使わなくてもいい。

理に適っています。

 

今回なぜ僕がZbrushを推奨したのかは、3Dデータの作りやすさをあくまで重視したからです。

やはり指輪のような3次曲面、有機的な形態を作り込むのにはZbrushがふさわしいです。

ただBlenderでも作れないことはありませんので、Blenderで3D原型データを作ることにわずらわしさを感じない様であれば、最初からその方がいいかもしれませんね。

 

また使用環境だったりソフト学習時間だったり、または経済的な事情だったり、さまざまな事情が影響していてZbrushを使うことができないという場合。

こういう時も無理にZbrushを使う必要性はありません。

Blenderでもスカルプトモードといった機能がありますし、また実寸をPCモニター上で把握することもできるので、ある意味ではZbrush以上にBlenderの方が有能だったりもします。

 

とりあえずBlenderで原型が作れそうであればZbrushを使う必要はありません。

結局STLデータに変換してしまうのでね!

 



3:3Dプリントして出力する

原型データが仕上がったらいよいよ3Dプリント出力です。

僕はDMM makerの3Dプリントサービスを利用しました。

このような外注3Dプリントの業者さんの中では、比較的利用しやすいんじゃないですかね。

3Dプリントに使える材料もいろいろと用意されていて、アクセサリーの場合であればここで「シルバー」を選択肢してサービスを利用すればいいわけなんです。

ただ僕はその前に、シルバーともなれば原材料費が高くついてしまうため失敗が怖いです。

なので最初は「テストプリント」ということで「ナイロン」でプリントをすることにいたしました。

ナイロンの場合は確か1500円程でした。

 

出来上がったのがこれ。

いやしかし、どうして佐川さんはいつも僕がうん●こをしているときに配達にくるんでしょうかねぇ(佐川さんからは「なんでこいついつもうん●こしてんだよ」って感じになるんでしょうけど。)。

このように3Dデータを出力したものが仕上がったらその段階で郵送されて届きます。

 

実際に出来上がったサンプルリングを指にはめてみて「問題なさそう!」と思ったので、すかさずシルバーで同じデータを出力します!

さらに時間をおいて、届いたのがこれ。

正確には、出来上がって受け取ったものを「磨いたもの」になりますが・・・。

ちょっと画像が暗くてすみません!

 

シルバーの場合は仕上げ処理もDMMにある程度任せることができます。

最高で「鏡面仕上げ」までやってくれるみたいなんですが、当然その分コストが上がってしまうので、少しでも安く仕上げたい思いもあって僕は自分で磨くことにしたんですね。

 

もうちょっと磨いてみて、それこそ「鏡面仕上げ」になるように頑張ります!

 

 

このように3Dデータを扱うことができれば、細かい部分までしっかりと形にしたオリジナル指環を作ることができるのです。

かなり3Dの原型データの再現ができていると思いませんか?

 

 

失敗点

今回は割とよくできたのかなぁと思うのですが、一点非常に残念だと感じていることがあります。

それはシルバーで作ったときの収縮を考慮していなかった点です。

 

シルバーリングは制作の都合上、一度高温で液状にしたものを型に流し込んで冷やされるのですが、この時にある程度収縮します。

そのことをすっかりと忘れていました。

ナイロンのサンプルリングの写真を見ていただくとお分かりかと思いますが、元々は中指に入るように設計してデータ作成をしました。

ただこのサンプルリングの時には中指ぴったりのサイズだったため、シルバーリングで仕上がった時には全く入らずに薬指になくなく装着することになってしまったんですね。

デザイン的にこの指輪を薬指付に付けたくはなかったので、仕上がったものを一番最初にはめてみたときは正直「失敗したな~」と思ってしましました。

ただ、なんだかんだゼロから作り上げたものなので愛着も湧いてきており、今ではそういったことも感じなくなりました。

愛着の力ってすごいですね~。

 

まとめ

このように、3Dデータをいじることができれば、それを応用して指輪を簡単に作ることができます。

 

世界に一点だけのオリジナルリング、もしも機会があったら作ってみてはいかがでしょうか?

僕的には何かの記念やプレゼントなんかに最適だと思いますよ!!

 

●今回のまとめ

BlenderとZbrushがある程度使えればオリジナルのシルバーリングを作ることができる!

※もちろんBlenderだけでも可!

1:原型3Dデータ作成

2:STLファイルへ変換

3:3Dプリント

→完成!!