家電量販店のメーカー製ノートPCでBlenderをやるとどうなる? 実際にやった経験のある僕の感想!

2020年2月8日

何もBlenderに限った話ではありませんが、3DCGをやるのであれば、使うPCにはこだわった方がいいでしょう。

特に家電量販店で購入できるメーカー製ノートPCなどを使うことはやめた方がいいです。

今回は「なぜBlenderなどの3DCGソフトをやる場合には、高スペックPCである方がいいのか」の理由を、説明していきたいと思います。

 

家電量販店のメーカー製ノートPCを「3DCG制作」に使うな!

家電量販店で購入できるようなメーカー製ノートPCは、総じて「3DCG制作」には向いておりません。

 



メーカー製PCとは?

そもそもメーカー製PCとはどういったもののことを指すのでしょうか。

「メーカー製PC」という言葉は特に辞書などに乗っているような言葉ではないので、辞書サイト等から引用をすることができません。

このため僕の認識している観念と、あとはネット等で調べた情報を踏まえてみると、一般的に以下のような意味で世の中では使われていることになるだろうと思います。

 

メーカー製PC

1:富士通、東芝、NECなどの各電機メーカーが、それぞれPCのパーツを組み立てて、作り上げたPCのこと。
2:大衆向けにパーツをチョイスして組み立てているため、最低限の動きはしてくれる。
3:しかしメーカー側にとって都合のいい、ユーザーにとって邪魔であると感じられるようなソフトが入れられている場合もあり。

というものです。

OSはWindowsが入れられているケースが圧倒的ですね。

 

メーカー製PCだと何が問題なのか

メーカー製PCは、大衆向けに最低限の使い心地を感じさせるように、各電気メーカーがPCパーツを組み立てて、家電量販店などの店頭に並べさせたものになります。

それはつまり、「最低限」以上のものは全く期待できないということになるのです。

それの何が問題なのか、少々詳しく確認してみましょう。

 

グラフィックボード(GPU)が搭載されていない

おそらくほぼ全てのメーカー製PCには、グラフィックボード(GPU)が搭載されておりません。

グラフィックボードとは、PCの映像をディスプレイに出力させるためのユニットのことですね。

 

映像をディスプレイに映し出すだけならば、グラフィックボードがなくてもCPUというPCの「脳のようなもの」が処理できるので、通常は問題ないのです。

しかし3DCGのような高負荷のものを処理しだすと、この脳がパンクしてしまうことがおうおうに出てくるわけです。

会社でも、社長が営業から事務処理まで1人で全てできるかもしれませんが、許容以上の仕事では絶対にパンクしてしまうでしょう。

それと同じことがPCにも言えるのです。

 

ノートPCの場合、画面が小さい

ノートPCの場合だと画面がやはり小さいです。

これはもしかしたら些細な問題であるように感じられるかもしれません。

しかしBlenderなどの3DCG制作において画面の小ささというものは致命的です。

なぜならば、ちょっと編集を加えるだけでも、画面が小さいと設定項目が溢れて非常に見難くなってしまうためです。

ここでは例としてBlenderの編集画面を確認してみたいと思います。

 

いかがでしょう。

この写真は特にアニメーションの編集画面ですが、左上にドープシート、左下にグラフエディター、下にタイムラインを表示させています。

その方がアニメーションは編集しやすいですからね。

右にはおなじみのアウトライナープロパティを表示させている状態です。

アウトライナーやプロパティは非表示でもアニメーション編集はできますが、ただやりにくいですよね。

これらの情報を一括で表示させるには、やはり大画面が必須であるように思います。

 

ノートの場合、冷却機能が弱い

メーカー製のノートPCにも冷却ファンというものがついています。

通常であれば内部の温度が上がってきたときに、冷却ファンが発動し、排熱をしだします。

しかしノートの場合ではその構造上、熱がPC内にこもりやすく、なかなか冷却が進まないという現象が発生してしまいます。

3DCGを想定したデスクトップPCであれば、冷却ファンがしっかりと排熱をすることができるため、熱に弱いPCを労わることができるというわけです。

 

Blenderはソフトが無料なので、その分PCにお金を充てるべき!

おそらくはBlenderを始めようと考えている方は、「趣味としてやろう!」と考えていらっしゃる方が多いのではないかと思います。

僕としては、Blenderを含めた3DCGを趣味にするということは非常に素晴らしいことであると思っております。

パソコンと技術さえあれば、自分の思い描いているものを3Dで表現することができるんですから。

完成データ等の条件にもよりますが、3Dプリンターを使えば現実空間にアウトプットさせることだってできてしまうと思います。

 

元々持っていたPCにはグラフィックボードはついているか?

まずは「趣味として始めよう!」という人に選ばれることが多いBlenderですから、大抵の場合は元々所持しているPCにダウンロードしてインストールを検討されることが多いのではないでしょうか。

しかしもともと持っているPCとやらが、3DCGに対応しているようなグラフィックボード(GPU)を搭載していれば話は早いのですが、多くの場合ではそういったことは稀だと思います。

そして仮にグラフィックボード非搭載のPCでBlenderを操作していても、思うように操作してくれなくなって、Blenderが上達していかない可能性があります。

苦行になってしまって、そのまま放り投げてしまう可能性が出てきてしまうのですね。

そうなってしまっては勿体ないです。

このため、グラフィックボードの有無は絶対的に確認しておくべきです!

 

Quadroシリーズがおすすめ

グラフィックボードにも様々な種類がありますが、BlenderではOpenGLというAPIが採用されています。

この文章を読んでいる方の中には、もしかすると「グラフィックボードと言えばGeForceでしょ!」というようなイメージをお持ちの方も少なくないかもしれません。

PCでゲームをする場合はGeForceが最適であると言われているから、自然とその名前も有名になっているような印象です。

しかしGeForceが得意とするAPIはDirectXです。

OpneGLではありません。

OpenGLであるBlenderを最適に操作するためには、Quadroを採用した方がいいのです。

 

・・・ややこしくなりましたが、Blenderを操作するのであれば、グラフィックボードは「Quadro > GeForce」ということになるのです。

ただ、既にGeForceを持っているのならば、それをわざわざ付け替えるまでもすることは無いかなぁとは思いますが・・・。

 

グラフィックボードが無いとどうなるか

もしもPCにグラフィックボードがないと、どうなってしまうのでしょう。

CPUがあるので最低限の映像出力はできます。

ですが上にも説明したように、会社でいうならば社長が一人で営業から事務から在庫管理までやらなくてはならないような、そんな状態での稼働になってしまいます。

それをずっと続けてしまうと、CPUにとってはかなりの負担になります。

良い選択肢ではないことは明白です。

 

冷却機能はデスクトップであればOK

今どきのデスクトップPCであれば、冷却ファンくらいはついているでしょう。

ノートPCと違いデスクトップPCは、容積の都合上熱を排出しやすいです。

排熱に関しては、デスクトップであれば問題ないと言えそうです。

 

よく分からなければ「BTOパソコン」を購入するべし

正直よくわからなければ、何も考えずにBTOパソコンというものを購入してしまった方がいいかと思います。

自分としては事前に当記事でも触れているような「最低限の知識」だけ備えて、あとは各種パーツをBTOの店側に選択してもらって、Blenderを始めとする3DCGに最適なPCとなるように受注生産してもらうのです。

 

ドスパラなどのBTO屋

BTOをやっているパソコンショップは、「ドスパラ」を始めいろいろとあります。

そこでは3DCGに最適なパーツ構成をしていることを売り文句にして販売されているものも陳列しているでしょう。

納得の行くまで店員さんに話を聞いて、購入をしてしまうことが、最もいいような気がいたします。