Blenderの「配列」「ミラー」のモディファイアーを使って、4輪の車輪を簡単に効率よく作る!
今回の記事では、Blenderのモディファイアーで、規則的な複数のオブジェクトを作っていきたいと思います。
具体的に言うと、自動車などの車・車輪です。「配列」や「ミラー」などのオブジェクトを使って、規則的な工業製品を作っていきたいと思います。
「配列」「ミラー」のモディファイアーで、4輪の車輪を簡単に効率よく作る!
冒頭にも上げましたが、まずはざっくりと完成したモデルの動画を添付いたします。
今回はこういったモデルを効率的に作っていきくヒントの説明をしてみます。
まずは「配列」「ミラー」などのモディファイアーがどのような機能を持っているのかを確認してみます。
モディファイアーの知識がある人は、前半は飛ばしていただいて結構です。
→後半「4輪の車輪を作る」へ。
「配列」モディファイアー
「配列」モディファイアーは、指定したオブジェクトを規則的に並べることができるモディファイアーになります。
例えばこんな感じに。
まずは基本の直線配列
配列モディファイアーを有効にすると、デフォルトでなっているのがこの直線配列。
試しに配列でモンキーを複製することにします。
このように、マジックハンドのように直線的に等間隔で複製することができます。
円形配列も可
円形に複製することもできます。
直線配列よりも、ちょっと操作が複雑になってきますが・・・。
先ほどのモンキーを円形に複製するGif動画です。
円形配列をする場合は、「回転軸となるオブジェクト」が別途必要になります。
つまり、「回転させたいオブジェクト」のみでは実現不可なのです。
ちなみに円形に複製する際は、テンキーで回転角度を指定することもできます。
Gifのモンキーを4匹使う例で言うならば、グローバルZ軸を指定して「90」と入力してあげれば、軸に対して90度の回転が入ります。
結果的に、4匹×90度で360度となって、綺麗に円形を作ることができます。
※Gif動画の例は、視覚的に分かりやすく見せるため、Z軸指定した後でマウスの動作のみで回転を与えています。
今回の車輪づくりで使うのは、こっちの円形配列です。
「ミラー」モディファイアー
「ミラー」モディファイアーは、例えば左側に作ったものを、自動的にも右側に反映させてくれるモディファイアーになります。
左右対称だけでなく、前後、上下対称にも作ることが出来ます。
また、なにか適当なオブジェクトを設けて、それを基準にミラーさせることもできます。
左右にミラー
デフォルトでは左右にミラーされるようになっています。
例のモデルは、実態は向かって右半分しかありません。
このように、片側を弄ると、自動的にもう片側にも反映がされます。
このモディファイアーはキャラクター制作をする際などに多用されることが多い印象です。
ミラー機能はもしかしたら初心者でも多様している人が多いモディファイアーの一つかもしれません。
特定の基準を設けてミラー
別のオブジェクトを設けて、それを基準にしてミラーすることもできます。
作例では、先ほどのモンキーの背後に立方体を設けて、それを基準にY軸方向にミラーをしています。
ご覧の通り、しっかりとミラー機能が反映されています。
今回の車輪づくりでは、この方法を多用します。
4輪の車輪を作る
さて、技術解説は以上になります。
車輪の制作にとりかかりましょう。
1:配列、ミラーでベースを作る
4輪の車輪と言えど、その構造を分解してみると、規則性があります。
ホイールやタイヤは回転体。
そしてそれらを横からではなく正面から見ると、左右対称です。
そんな回転体が4つ集まったのが、4輪の車輪です。
このことから最小限のベースを複製しまくれば、上手く作ることができるのはずなのです。
回転体は4の倍数がオススメ
とりあえずは配列で円形に複製する数を先に決めておきたいところです。
なぜならば、配列する数によってモデルの分割しさすさであったり、見栄えなどへの影響がでてくるからです。
個人的には「4」の倍数が良いと思います。
今回は32個のオブジェクトを一回転させることで仕上がる回転体を作っていきます。
「Shiftキー」+「Aキー」で配置をした円柱は、デフォルトで32角柱となっています。
このため、側面の1面だけを残し、他を全て削除すればOKです。
配列モディファイアーで円形配列
つづいて、全体のイメージを掴むため、この段階で円形に配列させていきます。
まずは【オブジェクトモード】に切り替えて、右のモディファイアーのプロパティから「配列」を選択します。
デフォルトだと直線配列の状態になっていますので、びよーんと長く伸びてしまったような状態になっていますが、とりあえず無視でOKです。
邪魔ならば【数】を1にしておけばいいでしょう。
この円形に配列する場合は、基準となるものが別に必要です。
ここでは「エンプティ」というものを使いました。エンプティは何かの基準にされるためだけに使われるような存在です。
別にBlender的にはオブジェクトであれば何でもいいんですが、「エンプティ=基準」という認識でいたいため、ここではエンプティです。
そして重要なことですが、エンプティと回転体の原点座標を同じ場所にしておかなければなりません。
2つの原点がずれていると、回転体を作ることができません。
ここまでできたら、配列の数を32に増やします。
あとはエンプティを回転させればOKです。回転角度は360÷32=11.25度です。
回転時に「Xキー」を押して軸を指定したら、テンキーで「11.25」と入力します。
綺麗な回転体を作ることができるはずです。
ミラーモディファイアーで左右対称物にする
続いて、今出来上がった回転体を、左右対称物にします。
しかも「ただの対象物」ではなく、左右が連動して動くものです。
そういう時に使いたいのが、「ミラー」モディファイアーになります。
ミラーを反映させるための下準備として、事前にループカットで中央に切り込みを入れます。
そして向かって左側を削除しておきます。
右側のモディファイアーからミラーを選択すれば、おそらく自動的に左右対称物として制作されていると思います。
動画の最後のびよーんびよーんさせたシーンは、モデルの一か所を動かしただけです。
配列とミラーがしっかりと適用されているおかげで、複製された全ての該当箇所が連動していることがお分かりいただけると思います。
この機能が効いていれば、一部の箇所に施した変更を、全てに施すことが可能になるのです。
右前輪を複製
この技術を使って、前輪と後輪も複製させます。
考え方としては、1:先に左前輪を複製して右前輪を作り、2:出来上がった前輪をそのまま後輪にミラーさせるというものを採用していきます。
このため、まずは前輪の中心となるところに「エンプティ」を置きます。
ただし、エンプティが何個もあると管理が煩わしくなってくるため、逐一名前を変えます。
ここでは「エンプティ.前輪」にしました。
ちなみに車輪間の調整をしなおしたくなった場合でも、あとからエンプティの位置を調整すればOKです。
エンプティが出来たら、新しくミラーモディファイアーをもう一つ追加します。
「ミラーオブジェクト」という項目があるはずなのでクリックし、先ほどの「エンプティ.前輪」を選択します。
上手くいけば、しっかりと右前輪が出来上がります。
しかもちゃんと左前輪の複製の仕様が反映されています。
後輪も複製する
やり方は同じです。先ほどの要領で前輪から後輪の複製を行います。
今度は「エンプティ.後輪」を作って、ミラーオブジェクトとします。
そして前後の複製となるため、【軸】のチェックボックスから「X」を外して「Y」にいれます。
こうすることで、前輪の仕様を後輪に複製させることができます。
これにて、配列、ミラーによるベース制作は完了です。
2:作り込む
ここまで出来たら、あとは作り込みをするだけです。
配列とミラーが効いているため、一番最初に作った一面に編集を加えていけば、どんどんと全ての面に同じ作用が働いていきます。
こんな感じで。
今回は、冒頭のような状態まで持って行った過程の説明はしません。
あくまでのこのような複製方法がありますよ~というご紹介になります。
このように、似たようなものが規則的に並んでいるものを作るときには、非常に便利な方法であると僕は思います!
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