Blenderの「マテリアル」でリアルな質感を追究する基本操作

2020年5月10日

Blenderのマテリアルでは、3Dモデルにリアルな質感を授けることができます。

今回はその設定方法についてを確認していきたいと思います。

 

 

マテリアルで質感を出す

以前は別の記事で、マテリアルで3Dモデルを着色する方法についてを説明いたしました。

今回の説明はその延長のものとなります。

合わせて読んでいただくと、より理解が深まるかと思います。

 

 

「ノード」がマテリアルの質感を決める

Blenderにはノードと呼ばれるものがあります。

マテリアルの設定画面を見ていただければ分かると思いますが、「ノードを使用」というボタンがありますね。

この「ノード」です。

 

 

画像で言うところの、真ん中あたりにある青いボタンですね。

青いと「ノードを使用」が有効ということになります。

逆に灰色になっていると「ノードを使用」が無効になっているわけです。

マテリアルを使って質感の調整をするためには、このノード機能を駆使していくことが現実的になってくると思います。

 



そもそも「ノード」とは?

そもそも「ノード」とは何なのでしょうか。

僕も「ノードとは何なのか」と聞かれると、どう説明したらいいのか迷ってしまいます。

なので、難しいことは言いません。

写真を掲載いたしますので、そちらをご覧ください。

 

こちらはノードの編集画面になります。

説明のために、あえて見た目が複雑なものを用意いたしました。

四角い項目同士が、謎の線で繋がっていますね。

これらは一体何なのかと言いますと、マテリアルの質感を決める信号の通り道みたいなものになります。

 

マテリアルのノードは左端にある(写真には切れているが・・・)「入力」から始まります。

そして、右端に四角で囲ってある「出力」に行きつきます。

 

この「出力」にたどり着いた信号が、最終的な質感として「マテリアル」となり、3Dビュー上に表示されるわけです。

 

着色も同じ

前回の記事では、マテリアルによる着色方法を説明いたしました。

あれも結局は同じ理屈です。

オレンジ色の色彩が、マテリアルとして「出力」されているのです。

 

試しに前回作ったマテリアル「オレンジ」のノードを確認してみると、上の写真のようになっていました。

非常にシンプルで、ベースカラーとして設定したオレンジ色の色彩が、そのままマテリアルとして設定されています。

結果として、マテリアル設定をした3Dモデルがオレンジ色になるというわけです。

写真を見ると、色の情報の他にも様々な項目があるようですが、それらを弄ることで様々な表現を追究していくことができるのです。

 

 

ノードの編集画面

続いてはノードの編集画面をしてみましょう。

 

シェーダーエディターを開く

まずはノードの編集画面を開きます。

Blenderを開いた画面の左下に、時計のようなアイコンがあると思います。

それをクリックするとエディタータイプということで、様々な項目が出てくるはずです。

その中の一つにシェーダーエディターというものがあります。

それをクリックしましょう。

 

 

すると、下の方の画面構成が微妙に変わったと思います。

さっきクリックした時計のようなアイコンも、なにやら変な丸いアイコンへと置き換わってしまっていると思います。

 

 

この、下に出てきたスペースがノードの編集画面である「シェーダーエディター」というものになります。

しかし作業スペースが驚くほど狭いですね。

これはシェーダーエディター3Dビューをマウスで上方向にドラッグすれば、画面の専有面積を調整することができて、解決します。

 

こうすれば、ノードの編集がやりやすくなります。

 

 

質感を変えてみる

準備が整いましたら、実際にノードを弄って質感を変化させてみましょう。

 

 

ノードの基本操作

ノードは、「Delete」キーで削除できたり、「Shift+A」で追加したりすることができます。

マウスのドラッグで移動させることもできますし、線の「接続」や「切断」もできます。

直感的な操作が可能なので、いろいろいじってるうちに自然と体に染みつけることができると思います。

 

 

物体をガラス質にする

では早速ですが、3Dモデルをガラス質にしてみたいと思います。

正直、デフォルトで用意されている「プリンシブルBSDF」ノードだけでも十分に質感を得ることができるのですが、項目が複雑なので、今回は「グラスBSDF」を使っていきたいと思います。

 

「Shift+A」でノードを追加

まずはノードを追加しましょう。

ノード編集画面上にマウスポインタを置いて、ショートカット「Shift+A」を押しましょう。

するといろいろ項目が出てきます。

その中にある「シェーダー」にマウスを載せてください。

するとさらにいろいろと項目が出てくるはずです。

 

今出てきた項目群のなかに「グラスBSDF」があります。

見つけたらそれをクリックしてください。

編集画面に「グラスBSDF」ノードが追加されます。

 

ノードを接続する

あたらしく追加した「グラスBSDF」ノードを、マテリアルの質感として設定しましょう。

「グラスBSDF」ノードをよく見てみると、右側に「BSDF」と書かれており、近くに緑色の点がありますよね。

 

 

この緑色の点にマウスを合わせてドラッグをすると、ノードから線が生えてきます。

 

こんな具合ですね。

これを「マテリアル出力」端子にある「サーフェイス」と書かれているところにある点に繋げます。

線を当てて、クリックを話すだけノードは繋がります。

これで「マテリアルがグラスっぽく出力される」状態になりました。

 

ノードを削除する

余った「プリンシブルBSDF」は放置でもいいのですが、邪魔なので削除したいですよね。

ノードは削除方法も簡単です。

削除したいノードの任意の箇所をクリックして、ノードを「選択」状態にします。

選択された状態になりましたら「Delete」キーを押します。

これだけでノードは消えます。

 

質感を確認してみる

質感を確認してみましょう。

比較のために、まずは「グラスBSDF」を適用させる前の状態の画像です。

 

白い猿がいます。

ここに、今ほど設定をした「グラスBSDF」適用後の写真を並べてみます。

 

どうでしょう。

かなりガラス質っぽくなっていますよね。

まぁ単純なノード構成なので、「リアルじゃないじゃん!」「不自然にCGっぽいじゃん!」と言われれば否定することはできませんが・・・。

 

しかしいずれにせよ、このようにして、Blenderでは様々な質感を簡単に設定することができるのです。

 

他のノードと組み合わせることもできる!

今回は「グラスBSDF」ノードのみのご紹介となりましたが、様々なノードとの組み合わせをして、表現の幅を広げたり、深みを出すことだってできてしまうのが、ノードの魅力だと思います。

詳しい操作方法については別の記事で解説いたしますので、興味がある方はそちらをご覧ください!