Blenderで下絵を使ってキャラクターの顔をモデリングする方法!
今回の記事では、Blenderをする人の多くが目的としているキャラクター制作を行っていきたいと思います。
Jpegで下絵を描き、それをBlenderで読み込んで作っていきます。
下絵を使ってキャラクターの顔をモデリングする!
キャラクターの顔は、少しの違いでも印象が大きく変わってきてしまいます。
このため、
そう思う人は多いはずです。
ですが、ご安心ください。
Blenderには外部の画像ファイルを読み込む機能が備わっています。
「画像」を追加する
Blenderには「画像」を3Dビューに読み込む機能があります。
オブジェクトを追加するノリでShift+Aを押します。
いつもであれば「メッシュ」から立方体なり円柱なりを選んでいるでしょう。
もしくは、「エンプティ」などを選んで基準点などを設定するのかもしれません。
下絵を追加する場合も全く同じです。
「画像」から「参照」を押せば、あなたのPCの中身が開きます。
ここから下絵にしたい画像を選択しましょう。
必ず真正面から揃える
ただしこの状態のように、何も考えずに画像を追加してはいけません。
基本的に下絵を用いる場合は、真正面から視点を合わせて設定するべきです。
いわゆる、テンキーの1を押した状態で、です。
テンキー1を押していないと、基準がめちゃくちゃになってしまって、訳が分からなくなります。
なんのために下絵を用意したのやら・・・。
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※テンキーを使わないと、正面から見たときめちゃくちゃになる |
テンキー1を押して、まずカメラの視点を真正面からにしましょう。
そして改めてShift+Aキーで、画像を追加するのです。
そうすれば以下のようになるはずです。
下絵を活用する場合は、必ずこのようにしてください。
また、テンキー1を押した状態で下絵を設定すれば、視点をずらしたときには下絵が自動的に非表示になります。
下絵は、真正面から見たときに参考とするために用意したものです。
斜めから見たときには不要となります。
この観点からも、必ずテンキー1を押して真正面にしてから、下絵は設定しましょう。
顔のモデリングの準備をする
下絵の設置が上手く言ったら、モデリングを開始しましょう。その前に、もう一つだけ準備をしておきます。
面から始める
顔のモデリングをする場合は、面から作り始めてください。いきなり立方体から形成するのではなく、面から始めていくのです。せっかく下絵があるのですから、下絵を惜しみなく利用するのです。
ちょうどデフォルトで用意されている立方体がありますね。
これの後ろの頂点を削除します。
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すると、1枚の面だけになりました。
下絵を使ったモデリングは、この状態(『面』の状態=2次元)から始めていくべきです。
ミラーモディファイヤーを利用する
このタイミングでミラーモディファイアーを利用してみましょう。
人間と違ってキャラクターの顔というものは、基本的には大体左右対称です。
対称的な形態にはミラーモディファイヤーを使うことでモデリングの作業効率を上げることが出来ます。
ループカット(Ctrl+R)で縦に中線を引き、今回は左半分を削除します。
その後にモディファイアーから「ミラー」を選択します。
このとき、
①ケージを有効化しておきます。
また、②クリッピングにチェックを入れておけば、座標軸がミラー面に通過するのを防いでくれます。
※念のために、先ほど引いた中点のX軸が0になっているか確認してください。
これで、顔のモデリングを効率的に行うことができます。
頂点を増やす
1枚の面にしたら、4つしかない頂点(ケージ時は6つ)を増やしていきます。
基本的にはループカット(Ctrl+R)を使って増やしていくことが無難でしょう。
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ただし増やし過ぎは禁物です。頂点が多いと、細部まで作り込めますが制御が大変になります。とりあえずは写真と同じくらいの頂点数に抑えて、造形していけばいいのではないかと思います。
この時には、同時にアウトラインも定めていきます。
完全に2次元の考え方で大丈夫です。3次元に造形していくことは、この段階では考えません。
キャラクターに髪の毛が無いものであると考えてください。
髪の毛は後で別パーツとして作りますので。
目や口の周りは円形に
目や口の周りは、円形になるように面を張ります。
目や口(特に口!)は、様々な方向に動きます。
この様々な方向への動きに対応できるようにするため、この段階で円形にメッシュを張っておくのです。
格子状のメッシュでは、斜めの動きに対応できにくいです。
上下左右、そして斜めの動きにも対応できるように、ここで円形に面を張っておくのです。
円形に張った面の内側は、削除してしまっても構いません。
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目と口の面を選択してDeleteを押す。 「面」を削除! |
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目と口の部分に穴が空いた! |
今回の眼球は「別パーツ」として、作っていきます。
ラティスで立体的に移動させる
2次元的にある程度仕上がりましたら、これを立体的にしていきます。
これには今回は「ラティス」モディファイヤーを使います。
これを使えば、パック(美容のやつ)を顔に貼り付けるように動かすことで、今出来上がっている2次元のモデルを立体的に動かすことができます。
詳しいラティスのやり方はここでは省きますが、Shift+Aでラティスを追加し、2次元のモデルにラティスモディファイヤーを選択。
ターゲットにラティスを指定すれば、2次元モデルはラティスに連動して動くようになります。
ここでは、必ずモディファイアーの順番を、①ラティス、②ミラーにしてください。
そうしないと、上手くラティスで変形させることができません。
※ラティスはミラーよりも上に!
これでラティスを弄ることで、2次元の板を3次元的に編集することが容易になります。
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ラティス編集前 | ラティス編集後 |
ある程度編集できらたら、もうラティスの役目は終わりです。
ラティスモディファイヤーは「適用」をさせて、ラティスそのものも削除しちゃっても結構です。
あとは細かく編集していきます。
この段階では、細かく作り込みません。
立体として見るための前面の雰囲気を掴むことが目的です。
上の写真くらいの仕上がりで、とりあえずは進めていいと思います。
顔のモデリングを仕上げる
ここまでで、顔のベースが仕上がりました。
あとは後頭部や側頭部、細かいところを作っていきます。
まぁ、最も目立って、かつ複雑な顔面部が終わってしまえば、あとは比較的簡単であると思います。
頭頂部~後頭部
頭頂部から後頭部にかけてを作っていきます。
※その間も全体的なシルエットを意識することを、お忘れなく。
基本は辺の押し出し!
ここでは辺を押し出すことで、モデリングを進めていきます。辺の押し出しは、辺を選択した状態でEでしたね。
このようにどんどん辺を押し出して、新たなメッシュを継ぎ足していきます。
この時、様々な角度から確認することも、お忘れなく。
真横からも必ず確認
また、必ずテンキー3を押すことで、真横から見たときの形態もしっかり確認するようにしてください。
今回は用意しませんでしたが、テンキー3の視点でも、下絵を設定することができます。
キャラクターの横顔の絵を予め用意しておけば、効率よくモデリングをしていくことができます。
側頭部
頭頂部から側頭部にかけてのモデリングが大体出来上がったら、側頭部を作っていきます。
ここでは、イメージとしては「穴を埋めていくような感覚」になってくるかと思います。
頭頂部~後頭部のメッシュに肉付け
操作については、先ほどまでと一緒です。
さっき作った頭頂部~後頭部にかけてのメッシュから、辺をEで押し出していきます。
穴埋め
そして顔の前面部分とぶつかりそうになったら、その直前で押し出しを止めて、穴埋めを行います。
穴埋めは、対象となる4頂点が選択されている状態でFを押せば実行できます。
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「穴埋め」したい頂点を全て選択して・・・ | Fで穴埋め! |
この要領で、どんどん側頭部分にメッシュを作っていきます。
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こんなに大きな穴も、周囲の頂点を全て選択して・・・ | 同様にFで穴埋め! |
耳
側頭部のメッシュを全て作り終えたら、次は耳を作りたいところです。
しかし耳はちょっと複雑で難しいですね。
この記事では、耳の作り方については詳しく解説いたしません。
別の記事をご確認ください。
目・鼻・口
キャラクターの目・鼻・口を仕上げます。
人間と同じように、キャラクターの目・鼻・口は非常に重要な要素となってきます。
目
目は、別のパーツとして考えた方がいいように思います。
いろいろ作り方があるとは思いますが、僕は実際の眼球のように球体として作る方が好きです。
なので、今回も球体として作っていきます。
Shift+Aを押して、球を選択します。
顔と同様にミラーモディファイアーを追加しておけば、左右対称に球を配置することができます。
※若干、Z軸方向に潰しています・・・
目の作り込みに関しては、この記事では解説しません。
別記事をご参照ください。
鼻・口
鼻や口は横顔の印象を決める大事な要素です。
正面からの印象にも少なからず影響を与えます。
基本的にキャラクターの鼻は小さくて高い方が、美しいと思われるようです。
口も同様に、主張が少ない方が美しいでしょう。
リアル寄りではないキャラクターの場合は、かなり要素を抽象化させたものが主流となっています。
(逆に言えば、リアル風に作る場合は、この部分を作りこめばそれっぽくなります。)
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今回はかなりデフォルメして作ることにします。
いろんな角度から立体的に確認して、形を決めていきます。
全体を整えて完成!
ここまで出来たら、あとは全体を整えて完成です!
主に以下の2つの操作を使って、整えていきます。
プロポーショナル編集
編集モードの時にOを押すことで、プロポーショナルを有効化させることができます。
プロポーショナル編集を行えば、例えば1つの焦点を動かした際に、周囲にある頂点も巻き込んで、一緒に編集することができるようになります。
このように、頂点数がある程度増えてきたときに有効な編集スタイルということになります。
収縮・膨張
頂点や面には表(裏)があります。
Blenderには、この向きに合わせて縮んだり膨れたりする操作があり、それらを収縮、もしくは膨張と呼びます。
収縮・膨張はAlt+Sで行えます。
収縮・膨張の操作を使って形を整えれば、形態が崩壊しにくくなります。
続きはコチラ→Blenderでキャラクターの体をモデリングする!【あくまで一例】
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