Blenderで高級感のあるインテリア、寝室の内装を作る!【中級レベル】

Blenderは総合3DCGソフトなので、3DCAD代わりに部屋の内装を作ることもできます。
今回は、Blenderで高級感のある寝室を作っていきたいと思います。
寝室のモデリング
踏むべきステップとしては、大きく2つ。
まずはモデリング。
まずは寝室を3D空間上に作っていかなければ、話になりません。
ちなみに、なぜ記事タイトルに【中級レベル】という表記を入れたのか。
理由としては、部屋のモデリング(中級)というものが単一モデリング(初級)の寄せ集めであるからです。
もしも途中の説明が分からなくなってしまった場合は、一度立ち止まって、例えば「1つの家具を作り上げること」を達成させるようにしてください。
イメージ設定
何でもそうですが、事前に作りたいもののイメージを固めておくと効率よく作っていくことができます。
今回はGoogle画像検索で「Luxury bedroom」と検索をしました。
ここで出てきた画像を参考にして、アドリブで作っていきます。
(どんな部屋の形態であっても作成手順は同じであると思います。)
ただ、おそらく記事が出来上がった頃には作品が完成しているでしょうから、ご覧の方には先に完成品をお見せいたします。
今回はこんな感じに仕上がりました。
部屋を作る
まずは部屋その物を作っていきます。
部屋は複雑な形をしていますが、大体の形としては立方体の空間です。
このため、デフォルトの立方体を利用して、モデリングしていきましょう。
Tabを押して、さっそく編集していきます。
部屋のベース
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まずは立方体の上面を空けます。
すべてはここから始まります。
立方体の上面を選択してDeleteで面を削除します。
部屋自体はこれを変形させていくだけです。
そしてこのままでは小さすぎるため、Aを押して全選択。
そしてSで全体的に拡大します。
ある程度大きくなったら、上下方向にのみ小さくさせて、立方体を平べったくさせます。
再度Sで拡大・縮小モードに入り、Zを押してZ軸のみに変形を指定します。
これで任意の平べったさにします。
部屋を作り込む
部屋のベースはこんなものです。
ここからは部屋の作り込みです。
先に完成している完成画像のようにするために、ここから部屋の作り込みを行っていきます。
その前に、作り込みをするにあたって、視界の邪魔になる壁を非表示にさせます。
非表示にさせたい壁面を選択してHを押すことで、面は非表示となります(削除はされません)。
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これで作りやすくなりましたね。
ちなみに再表示させる場合はAlt+Hです。
今回の部屋は、立方体の空間に窓や照明の部分だけが凹んでいるという構造をしています。
とりあえず後ろにある壁面を4分割したいため、ループカット(Ctrl+R)します。
分割する際にはマウスホイールを回転させて、分割線を3つに増やしてください。
そして4つになった面それぞれに、凹ますための面を指し込んでいきます。
各面を1つひとつ選択し、それぞれにIを押して、面を指し込んでいきます。
ついでに向かって左側の、窓となる面にも同じように差し込みを行っていきます。
凹ませたい面が差し込めたら、今度はそれらを実際に凹ませます。
選択してEを押す、お馴染みの操作でOKです。
ちなみに、壁と床の境目には巾木というものがあるため、今作った面は気持ち上に寄せておいた方がいいでしょう。
非表示部分もしっかり作り込む
作業が進んできたら、さっきまで非表示にしていたところにも手を加えていきます。
Alt+Hで非表示部分を再表示させて、手を加えていきましょう。
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基本的にはこの操作を、部屋のあらゆるところに対して施していきます。
一つ一つ解説することでも無いと思うので、端折らせていただきます。
そして以下のようにします。
巾木を付ける
部屋自体の内装が大体できたら、最後に巾木を設定して完了とさせましょう。
巾木を設置したい辺を、一通り全て選択します。
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そしてベベル(Ctrl+B)を行い、壁と床の間に一周分の面を用意します。
ベベルで面を増やしたら、一旦形を整えます。
形を整える場合は、右上の座標軸に数値を打ち込む方が、綺麗に決まると思います。
基準としたい座標の値をコピー(Ctrl+C)し、整えたい座標にペースト(Ctrl+V)します。
形を整え終わったら、今度は巾木を一周するようにループカット(Ctrl+R)を施します。
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そして、今作ったループカットの辺が、巾木の角になるように位置を調整します。
巾木があるだけで、かなり部屋が締まります!
小物を作る
部屋ができたら、小物を作っていきます。
Blenderで部屋を作る場合は、多くの場合は家具なども自分で用意する必要があります。
家具は各々が独立したオブジェクトとしておくと、いろいろと都合がいいと思います。
ちなみに、この記事内では各種の詳しい作り方をご案内するつもりはありません。
基本的な操作だけで十分に作ることができるため、解説する必要性を感じないためです。
操作の概要だけ簡単に説明はしますが、ここでの操作に戸惑いを感じるようであれば、基礎を見直しておくべきでしょう。
関連記事:【前編】超初心者向け! Blender2.8で「リンゴ」をモデリング! これで基本的なモデリングはバッチリ!
ベッド
まずは寝室の主役、ベッドを作ります。
オブジェクトモードにして、毎度のShift+Aを押して立方体を選択します。
編集モードにし、ループカット(Ctrl+R)で中線を引いたら、向かって左半分を削除し、ミラーモディファイアーを設定。
作っていきます。
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ちなみに、テンキー/を押せば、選択しているオブジェクト以外を非表示にさせることができます。
オブジェクトが複数あって、画面がゴチャゴチャしてきたときに、重宝します。
椅子、タンス
他の家具も同様。
左右対称物であるならば、ミラーモディファイアーを用いる手法を取りましょう。
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椅子 |
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タンス |
ランプ、シャンデリア
ランプやシャンデリアなども同様です。
ランプはミラーモディファイアーを2重に使っています。
1つ目の対称軸はオブジェクト原点、2つ目はベッドの原点です。
シャンデリアは、円形配列を使うと楽に作れるかもしれませんね。
円形配列については、別の記事で詳しく説明しております。
関連記事:Blenderの配列モディファイアーを使って、簡単に時計盤を作ってみる!
カーテン、シーツ
クロスシミュレーションを使って、布ものも作っていきましょう。今回はカーテンとベッドのシーツを作っていきます。
布ものにクロスシミュレーションを設定し、部屋や他の家具(ベッド等)にコリジョン設定をします。
カーテンが無人で動くと、若干ですがホラーな印象を受けますね。
ベッドのシーツも、同様に作っていきます。
クロスシミュレーションと厚み付けモディファイアーの合わせ技でモデリングします。
形が整ったら、モディファイアーを適用させてしまっても構いません。
関連記事:
【初心者向け】Blenderでクロスシミュレーション(布との衝突判定)を物理演算する方法! 基本は3ステップで簡単!
Blenderのフックとクロスシミュレーションで、カーテンを作る!
その他、装飾
その他、気になるところをどんどんと作り込んでいきます。
また、ちょっとした装飾も、ある場合とない場合とで仕上がりに大きく影響を及ぼします。
このためできる限り細かいものでも作り込んでいくようにした方がいいでしょう。
絨毯や小瓶なんかを追加すると、リアリティが増します。
(余裕があれば観葉植物も配置してみましょう。)
※観葉植物用の花瓶(?)です。
ラグ(絨毯)も敷いてみました。
マテリアル、テクスチャー設定
モデリングができたら、次にマテリアルとテクスチャーを設定していきましょう。
その前にまずライト(照明)を簡易的に設置しておいた方が良いでしょう。
照明はShift+Aから「ポイント」を選択すればOKです。
光源がある場合とない場合とでは、見え方が大きく異なってきます。
今後もマテリアルやテクスチャを調整しながら、必要に応じて光源の調整をしてくようにしましょう。
マテリアル設定
マテリアルは、プロパティの「マテリアル」から生成していきます。
鏡を鏡っぽくさせます。
反射率を上げるために、「メタリック」を1、3つ下の「粗さ」を0にします。
鏡面を生成する上で、この2つは必須です。
あとはお好みでスペキュラーを調整したりしてください。
マテリアルの作り方については別の記事に詳しく記載させていただいていますので、そちらをご確認ください。
お馴染みのワイングラスも同様です。
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グラスは「伝播」を1にし、「伝播」の粗さは0に。
そして光の屈折率である「IOR」は1.45あたりにしました。
ワインは液体であるので、水(H2O)の屈折率である1.348にしました。
ちょっとした拘りです。
ベースカラーも、赤ワインならば赤紫色にしておきます。
一通りのマテリアル設定が済みましたら、テクスチャを設定しましょう。
今回は最終レンダリングをCyclesで行う予定のため、透過設定はこれ以上は行いません。
全てのオブジェクトに設定
こんな感じの操作が延々と続いていきます。
パッと見の見た目が大きく変わるのは楽しいですが、細かい数値の調整が続いていきます。
全てのオブジェクトに設定していきます。
テクスチャー設定
マテリアルが一通り設定し終わったら、次はテクスチャを設定します。
テクスチャの使い方には大きく2パターンがあります。
頂点グループを制御する
まずはテクスチャで頂点グループを制御するパターンです。
例えば、ベッドの留め具みたいな部分。
ここを少し暗くして奥行を演出させた方が、リアリティが増します。
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塗る前 |
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塗った後 |
凹んでいる部分に頂点ペイントを施し、ノードを制御しました。
このように、頂点の明度の差を係数として出力します。
こうすることで、複数のマテリアルを融合させて一つのオブジェクトに設定することができるわけです。
模様として制御する
こちらの方が、テクスチャと聞いて初めに思い浮かぶ使い方かもしれません。
テクスチャ(質感)のごとく、直接オブジェクトの表面に対して、何かしらのアクションを施します。
例えば、壁に「壁紙」を貼ってみます。
本来であれば、どこかからかいい感じの画像データを用意して、それをBlenderに読み込ませることが王道です。
しかし、今回は面倒くさいためBlender内で生成することにします。
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テクスチャノードから「ノイズテクスチャ」を追加し、各種数値を適当にいじって、良い感じになったところで止めます。
これを係数として出力し、プリンシプルノードのベースカラーとして読み込ませました。
ノードはこのようになっています。
ちょっと艶感が欲しくなったため、クリアコートの値も上げておきました。
こんな感じでどんどん作り込んでいきます。
絨毯はテクスチャとパーティクルを組み合わせる!
今回は絨毯も作りました。
なのでテクスチャーとパーティクルをかけ合わせて、模様と毛質を同時に演出させてみました。
パーティクルについては別記事で詳しく説明する予定ですので、そちらをご覧ください。
ライト(照明)設定
仕上げに、ライト(照明)を確認します。
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ここでは実際にテストレンダリングをします。
テストといっても、ただ画質を落として手早くレンダリングするだけなんですがね・・・。
ここでの設定で、作品の雰囲気はガラッと変わります。
上記はライトプロパティです。
正解はありません。
微調整をしながら、全体の雰囲気を弄っていきます。
ここを弄った際に、作品の全体的な雰囲気に違和感が生じた際は、モデリングやマテリアル、テクスチャー設定などに戻って、適宜微調整していきます。
いろいろ調整して、問題なさそうであればレンダリングして完成です。
解像度を上げて、時間をかけてレンダリングしましょう。
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