全くの3DCG未経験者が独学でBlenderを身に付けることはできるのか

2021年1月10日

できます。

いきなりですみません。

ただし並々ならぬ根気と努力が必要になってくると思います。

 

↑昔Blender2.7で作った「バイオリン」です。

 

しかし3DCGで「表現したい!」という気持ちが強ければ、そんな根気と努力も大した労力だと感じずに頑張ってしまうことができてしまうと思います。

「好きこそ物の上手なれ」ですね。

「表現したい!」という強い気持ちを、素直に育んでみましょう。

 



僕も3DCG未経験、独学でBlenderを身に付けました

僕はBlenderを「独学」で身に付けた人間です。

特に何かの専門学校に通ったりはしていません。

 

ひたすらBlenderに触りまくった

普通にサラリーマンをやりながら、帰宅後や土日にひたすらPCと向き合い続けることで、なんとかモノにしてきた経験を持っております。

毎日PCを立ち上げては「『Blenderのインターフェイスをどれだけいじりまわすことができるか』が初学者の効率的な上達方法だ!」と自分に言い聞かせておりました。

なので基本的には飲みなどで帰りが遅くならない日を除いては、寝る直前までPCを立ち上げてBlenderをいじりまわしていた記憶があります。

正直いうと当時はめちゃくちゃしんどかったんです。

しかし、「表現したいものを何としてでも表現したい!」という欲求が仕事で疲れている体に鞭打ってくれて、原動力となってくれました。

 

こう表現するとなんとも根性論的でお聞かせぐるしいお話にも聞こえるかもしれません。

 

Blender独学者に向ける記事

ですが、もしもあなたの要領がよかったり、また他で3DCG制作の経験がある人であれば、案外サクッと身に付けてしまうことだってできちゃうと思います。

またBlenderにおける作品づくりのゴールがどの程度のところに設けているかにもよってくるでしょう。

そのあたりは個人差があるので一概にも言えないと思いますが・・・。

 

とりあえず今回はBlenderの学習でつまづいてしまって一人もやもやしがちな人向けにお話しをしていきたいと思います。

 

 

関連記事:BlenderをPCにダウンロードしよう! Blenderを始める手順

 


Blenderを独学で勉強する!

他の3DCGソフト、例えばMayaや3dsMAXなどの経験がある人は、この段階でどこかに行ってしまってください。(笑)

主に「3DCGに興味があるからBlenderを触ってみたけど難しい!」という人向けに以下に文章を書いていきます。

※なお、これから紹介する内容はBlender2.7Xまでを対象としたものになります。

 

 

関連記事:【前編】超初心者向け! Blender2.8で「リンゴ」をモデリング! これで基本的なモデリングはバッチリ!

 

Blenderのいいところ

まずBlenderでできること(表現力)についてですが、正直なんでもできると言っても過言ではないでしょう。

モデリングはもちろん、リギングアニメーションまでできます。

シミュレーション機能もついていたりしますよ!

シミュレーションを利用して作った「カーテン」

これが無料でできるなんて、「DLしない訳には行かないでしょ!」って言ってしまいたくなります。

 

 

最初に用意する物

次にBlenderの使用環境を確認してみます。

適当にその辺のPCに落としても使えることは使えます。

ただ最初のうちの立方体を転がしたり頂点を増やしたりする段階では特に気になることもないのですが、スカルプトしたりベイクしたりするとその辺のPCではほぼ必ず詰みます。

後々のことを考えてGPU(グラフィックボード)が搭載されているような、割と高価なPCを最初っから用意しておくのが吉です。

スカルプト

モデリング方法の一種。頂点を手動で1つひとつ移動させるのではなく、直感的に彫刻するようにして形作っていく方法。データが大きくなりがちなので重くなりやすい。
ベイク Blenderにおいては、なんらかの演算処理における処理時間を短縮させるためにあらかじめコンピュータに計算させておくこと。GPU(グラフィックボード)の処理能力に依存する。

 



 

特に家電量販店のメーカー製PCだとグラフィックボードが標準搭載されていないものも多く、そのようなものでBlenderを行うと3D処理にはCPUが用いられてしまいます。

そうするとどうなるのかというと、PCが疲弊しやすくなります。

あらゆる面での処理にラグが生じてしまうでしょう。

またノートPCの各部品も、Blenderのような3DCGソフトを動かすことを想定したものが積まれているわけでもないため、高負荷がかかります。

 

↑僕のデスク周りです。

 

ソフトが無料な分、PCにお金をかけよう!

Blednerをやるのであれば、ソフトが無料である分PCにお金をかけるようすることをオススメいたします。

僕のPCはドスパラで買った15万くらいのPCでして、GPUにはQuadro M2000というものが搭載されています。

よくGPUでしたらゲーミングPCにGeForceなんかが搭載されているのが有名ですが、Quadroはゲームのようなリアルタイムレンダリングよりも演算処理が得意なんだそうで。

なんでも3DCG用のPCには特に向いているらしいです。

 

詳しいことは知りませんが、ドスパラの店員に言われるがままに買いました。

それから3年以上経過していますが特に不都合なく使えているため「Quadroでよかったんだなぁ!」と改めて実感しております。

ドスパラの店員さん、ありがとう!

 

ちなみに僕が持っているPCは、2019年8月現在はまったく同じものはないようです。

ですが、その後継機種的なものであればこちらになります。↓

 

 

ディスプレイも大画面にするべし

ディスプレイは僕にしては奮発してPHILIPSの27インチの物を一緒に購入しました。

今この文章を書くためのキーボードをたたいている僕の目の前には、27インチの大画面が広がっている状態ですね。

Blenderに限らず、3DCGソフトの画面にはさまざまな情報が表示されるため、画面が小さいと情報に埋まってしまってストレスが溜まってしまいます。

画面が大きい分に越したことはないですね!

 

僕が購入したPHILIPSのディスプレイはこちらです。

正直、これで十分すぎるくらいです。

 

家電量販店いあるような一般的な「メーカー製PC」との違い

僕はいっっちばん最初はヤマダ電機で買ったHP(ヒューレット・パッカード)社製の普通のノートPCでBlenderをやっていたため、しょっちゅう処理落ちしてフリーズしてしまうのはもちろんのことながら、作業をしているとすぐに画面が様々な項目で埋まってしまって非常にストレスを感じてしまっておりました。

このストレスは一見すると些細なことのように感じると思いますが、「ちりも積もれば~」のように長時間作業をしていく上では無視できない存在です。

できることであればグラフィックボードを搭載したPC大画面ディスプレイを準備するようにしましょう。

 

学習テキスト

3DCGを初めて学習するのであれば、分からないことの連続のはず。

書店のPC書籍コーナーに行けばBlenderの学習本が置いてあるので、まずはそれを購入してテキストとして活用していくのが得策であると思います。

個人的には友さんの書籍「Blender標準テクニック」が内容が濃く、しっかりと身につくものであるような気がいたしました。

 

ちなみにこの本で僕が完成させた作品はこちらになります。

他にもこのキャラクターを用いた動画(アニメーション)も作りました。

この本を何度か読み返すことができれば、Blenderの基礎をしっかりと身に付けるのは十分かと思います。

 

 

ただ僕は他にも何冊かBledenr本を読了しており、友さんの書籍を読み始めた段階ではすでに5冊ほどのBlender本を読み終えておりました。

金額にして、単純計算ですが3500円×5=17500円ほどを本に使っていた状態です。

なのである程度基礎ができていた状態だったためか分かりませんが、すんなり内容が入ってきました。

 

しかしもしも3DCGそのものが初めての超初心者がいきなり手にするには、少々詳しすぎて逆に混乱するかもしれませんね。

もう少し単純で簡単なほうが、情報量としては落ちるでしょうがガチ素人からすれば取りつきやすいのかなぁなんて思います。

(ただ友さんの本でBlenderに対する理解が非常に深まったことは事実なので、彼の書籍は一冊は持っておいた方がいいでしょう。)

本当に初心者の初心者、「Blenderのことも、へたしたらPCの操作すらもままならない!」とかだと榊正宗さんが著書の「東北ずん子で覚える!アニメキャラクターモデリング」から入ってみることがいいかなぁと思います。

僕のBlenderライフもこの本から始まりました。

この本で完成させたずん子はこちらになります。

白目ですが・・・、まぁ初のBlender作品ということで、操作や仕様を覚えることができたのでよしとしましょう。

 

この本はBlenderはおろか、3DCGそのものを触ることが本当に初めてである人にとっては非常に分かりやすい本であるように思います。

Blenderというものは操作性が非常に複雑で画面には様々な情報が溢れかえっております。

その中でも榊さんの本は、「一通りキャラクターを作るための最低限の操作(+α)」に標準を当てた構成になっており、初心者でも路頭に迷わずにパニックにならずに制作を進めていくことができるよう工夫されていると思います。

 

まぁ正直なところではこの分厚い本も半分くらい読み進めていけば基本的な操作は大体身についてくるだろうと思いますので、なんとなくBlenderというものが分かってきた段階で上に紹介した友さんの本の方に移行していってもいいのではないかと思います。

難易度や充実度的には、「榊さんの本 < 友さんの本」だと僕は感じたからです。

※ここでは本自体に優劣があるわけではなく、対象となる購買層が異なっているから難易度・充実度も異なっているということが伝えたいのです!

 

「慣れ」の大切さ

あとはBlenderでもなんでもそうだと思いますが「慣れ」って重要じゃないですか。

榊さんの本を読み進めていく過程で、初学者の人でもBlenderのソフトに「慣れ」ることができるはずです。

「慣れている人」ではないと目指せない高見や目標なんかが、こういった技術物にはあると思います。

榊さんの本は、Blenderの最低限の基礎操作を覚えて、そしてその操作性を体に染みつけるためには最適であると個人的には強く思います。

 

 

相談できる環境

また、テキストと同じくらい疑問点を相談できる環境を整えることが大事です。

しかし周囲に3DCGをやっている人がいればいいですが、現実はそう甘くはないのかなぁと思います。

そんな都合よく周りにBlenderやっている人なんていないですよね、CG会社でもない限りは。

 

僕の場合でも身の周りに3DCGをやっている人が皆無だったので、しかたなく僕は2ちゃんねるに書き込みを行って疑問点の解消を図るようにしていました。

書き込みと回答とで時差があくので、効率はそんなに良くなかったですが、一つ一つクリアしていく過程で着実にレベルアップを積み重ねることができました。

ネットの時代に生まれて、よかったなぁと思いましたね。(笑)

半年もすれば2ちゃんねるに書き込む回数もほとんどなくなって、制作効率もグンとあがりましたよ。

 

 

完成させたい!という心

ただやはり一番のモチベーションとなるべき原動力は「完成させたい!」という欲望です。

完成して自分だけの作品を生み出すことを想像すると、なんだかわくわくしてきますよね。

少なくとも僕はその「わくわく感」を原動力、モチベーションにしてきたため、仕事終わりの疲れた体であっても毎日Blenderを立ち上げ続けることが可能になったんじゃないかなぁと思います。

 

もちろんこの文章を読んでいる人に対しては、そのようなことを強制することはありません。

「毎日Blenderをやれ!」だなんて僕は絶対に言いません。

ただ僕の場合は、疲れていてもBlenderを開きたくなってしまったんです。

自発的に、自然に体が動いちゃったんですね。

まぁ当時は割と時間に余裕の持てる仕事をしていたというのもありましたし、その人その人で事情というものがあるわけです。

自分のペースで独学していくことが宜しいです。

 

楽しむことを大切に!

そしてBlenderは趣味の一環としてここのブログでは推奨しているわけですから、僕としてはBlenderをいじることで苦痛を感じてしまわないでほしいです。

楽しむことを第一に考えてください。

 

 


まとめ

いかがでしたでしょうか。

以上が僕が独学でBlenderを身に付けた手段になります。

実際には、ここで書いてある内容はあくまでも「独学入門」的なものになりまして、作品を作っていく過程でいろいろと壁にぶち当たってその都度解決してくことで、よりスキルを上げることができるようになります。

 

とにかく僕が伝えたいことは「独学でもなんとかなる」ということです。

3Dも手軽にできる時代になったことですし、是非楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

●今回のまとめ

Blenderは独学で十分に学習できる!

「グラフィックボードを搭載したPC」と「教本」を用意して、相談できる環境も設ける。

その上で3DCG制作を楽しめば必ず身につく!

 

「学習による苦痛」 < 「完成へのわくわく感」

このマインドで、3D制作を楽しもう!