【後編】超初心者向け! Blender2.8で「リンゴ」をモデリング! これで基本的なモデリングはバッチリ!
↑出来上がった3Dモデルに「モディファイアー」を適用させました。今回は解説いたしません。
【前編】を書いてから公開するまでに大分時間が空いてしまいました。
すみません。
早速ですが、【前編】の続きから記述していきたいと思います。
上面を仕上げる
ヘタの窪みができたら、上面のクオリティを上げて、造形のバランスを取りましょう。
まずは上面の整理をしていきます。
面の「四角形化」を行う
面は多角形で置いておくことができますが、可能であれば四角形にしておいた方がいいです。
理由については省きますが、とりあえず目立つ面で多角形になっているものを、四角形にしていきます。
今、この3Dモデルの上面は、このように複数の「六角形」や「五角形」で構成されているはずです。
このままだとマズいので、これらを四角形へと変えていきます。
「六角形」から「四角形」への変更方法
これは結構簡単です。
まず頂点選択モードにし、写真の箇所にある頂点2つを選択してください。
六角形のうちでも最も鋭い角にある2つの頂点ですね。
複数選択方法は「Shiftキー」を押しながら左クリックでした。
この二つの頂点が選択できたら、キーボードの「Jキー」を押しましょう。
指定した2つの頂点を結ぶように、辺が生成されます。
上の写真のようになればOKです。
この手順を、もう一つある六角形にも施してください。
このようになればOKです。
とりあえず3Dモデルの上面からは六角形が消滅し、四角形と五角形が残っている状態となりました。
「五角形」から「四角形」への変更方法
五角形から四角形へと変更する方法は、六角形からの時と比べるとちょっとややこしいです。
ですが難しいわけではないので、一つ一つ確認していきましょう。
まず五角形は画数が奇数なので、六角形のときのようにただ頂点同士を結んだだけでは四角形にはなりません。
このため新たに頂点を追加させる必要が生じてきます。
ちょうど五角形が2つ、1辺を共にしている箇所があります。
ここをうまいこと利用して、以下の写真のようにしてみましょう。
2つの五角形が共有している1辺の中点に、頂点ができました。
やり方は簡単です。
辺選択モードにして該当の箇所をクリックしたら、「右クリック」を押して「細分化」をクリックです。
これだけで辺の中点に頂点を設けて、二等分することができます。
この「細分化」は、その時選択されているものの種類によって、結果が異なってきます。
興味があればいろいろと試してみましょう。
そして今できあがった頂点を利用して、「面の四角形化」を完了させます。
やり方は、再度頂点選択モードにして、「Shiftキー」を押しながら「線を引き始めたい頂点」→「線を引き終えたい頂点」の順にクリックします。
二か所の頂点が選択できたら、さっき線を引いたようにキーボードの「Jキー」を押して完了です。
片方の線が引けたら、もう片方も引きましょう。
以下の写真のようになれば、「面の四角形化」は完了です。
念のため「ループカット」しておく
「これで『面の四角形化』は完了です」と言ったばかりのところ恐縮ですが、念のために上面を「ループカット」しておいて、今後の造形に備えておきましょう・・・。
やりかたは「Ctrl + R」でしたね。
こんな感じにやります。
これで確定させましょう。
実は面が四角形化されていないと、うまい具合に「ループカット」を行うことができません。
「面をわざわざ四角形にして、なんの意味があるんだ?」と思っていた方。
ここで支障が出てこないようにするためにあるのです。
さて、今度こそこの手順は終了です。
そろそろ仕上げに取り掛かっていきたいと思います。
全体的な形を整える
さて、ここからはリンゴのモデリングも終盤に入っていきます。
トポロジーの流れを意識する
3DCGにおける「トポロジー」とは、要するに3Dモデルを形作っている「線」のことです。
この「線」の流れを、ある程度まとまってきた段階で見直す必要が出てきます。
まずはテンキーの「7」を押して、真上から3Dモデルを見てみましょう。
ちょっと全体的に、向かって上方向に線が引っ張られているような印象がありますよね。
汚いトポロジーは後々の悪影響を及ぼす可能性があるため、いったん整理します。
ただし、今回は両サイドの極端に上に引っ張られている線(計2本)を消去すればなんとかなりそうなので、そうします。
とりあえず、先ほど中点を作って頂点同士を「Jキー」で結合した操作を使って下のような状態にします。
もう一度、対岸の頂点にも同じ操作をします。
↑のような状態にはなりましたでしょうか。
そしたら続いて、3Dモデル上から辺を消していきます。
しかしBlenderでは辺を消す際には「削除」と「溶解」に2種類があることを覚えておいてください。
今回は辺だけを3Dモデル上から消していくわけですから、辺の「溶解」を行います。
辺選択モードで上の写真における白い辺を選択したら、キーボードの「Deleteキー」を押してください。
削除コマンドが出てくるので、その中にある「辺を溶解」をクリックしてください。
すると以下のようになるはずです。
同じ操作を、↑の写真で白くなっている辺、そして向かって右側にある2辺にも行います。
合計で4辺の「溶解」が完了したら、頂点選択モードにして形態を整えてください。
真上
斜め
ここで気が付いたのですが、この操作って意味あったんでしょうかねぇ・・・。
まぁ、でも「削除」と「溶解」が違うことが説明できたので良しとしましょう!
ちなみにこの操作で「溶解」ではなく「削除」を行ってしまうと、その辺を共有してる面がごっそりと消えてしまいます。
「線」を削除しようとしたはずなのに、「面」ごとごっそり削除されてしまうんですね。
しかし、誤って操作してしまって、面がごっそりと消えてしまったとしても、慌てないことです。
「Ctrl + Zキー」を押すことで、一つ前の状態に戻すことができるからです。
他の場面でも、変な操作をしてしまった時には慌てずに「Ctrl + Zキー」を押すようにしてください。
各頂点をヘタの部分に集約させる
もうここまで来たら、モデリングの基本はできているも同然だと思います。
とりあえずは、各辺の頂点をヘタに集約させましょう。
実際の植物も、ヘタからエネルギーを受けて、実を着けております。
3DCGでそれを再現しないわけには行きません。
まずは辺の「細分化」、キーボードの「Jキー」、不要な辺の「溶解」など、今まで説明した方法をフルに使って、下の写真のような状態にします。
続いて、リンゴのヘタっぽい形を追求していきます。
必要があれば「ループカット」を入れてもいいでしょう。
ちなみに↑の写真はループカットを2回ほど入れました。
ここまでくると、技法を「教える」というよりも「感じてくれ」という具合になってきてしまいます。
教えているのは、各種ショートカットと、それらの使い時くらいになってしまいます。
あとは写真越しにひたすら感じていただきたいです。
下部にも手を加える
忘れていました。
リンゴの下部にも同じように作り込みを行っていきましょう。
やり方は上部と同じです。
「細分化」「Jキー」「溶解」「ループカット」あたりが主な操作になってきます。
まぁ、あんまり見えない箇所のはずなので、そこまで神経質に作り込まなくていいでしょう。
とりあえずできたらざっと遠目から確認しましょう。
こんな感じになっていればいいと思います。
リンゴっぽくないですか?
仕上げに、ヘタを付けます。
ヘタを作る
もしもまだ「リンゴっぽくない・・・」と感じるようであれば、ヘタを作ることで一気にリンゴっぽく変貌を遂げさせることができるので、ぜひしてください。
新しい立体の追加
今回はヘタを「別の立体」として追加して作ります。
追加する場合は「オブジェクトモード」で追加するか、はたは「編集モード」で追加するかで、今後のやりかたが変わってきます。
僕は「一つの小物は一つのオブジェクトして扱いたい」と思っている人間なので、今回は編集モードのまま立体を追加することにします。
編集モードである状態を確認したら、キーボード「Shift + A」を押してください。
「追加」コマンドが立ち上がって、立体を新たに追加できるようになり、どんなものを追加するのか尋ねられます。
とりあえず「メッシュ」>「円柱」を選択しましょう。
こうなります。
左下を見た頂くとわかりますが、追加する円柱の状態をここで調整することができます。
ここでは頂点「8」、半径「0.05m」、深度「0.5m」にしておきましょう。
これだけでもそれっぽいサイズ感になりましたね。
ヘタを作り込む
続いてヘタを作り込んでいきましょう。
「作り込む」といっても、リンゴ本体を作り込んだ時と比べてかなり簡単に済ませますので、ご安心を。
とり合えず、天井に向かって直進しているリンゴのヘタを、僕は生まれてこのかた一度も見たことがありません。
リンゴのヘタは、どこかの方向にうねっているはずです。
面選択モードに切り替えて、下の写真のように適当な位置にずらしてください。
ずらせたら、続いて直線過ぎるヘタを、「自然物」っぽくさせましょう。
このままだと人工物感が満載です。
方法としては、今回はおなじみである「ループカット」を使用します。
横方向にぐるりと一周辺を引きます。
それができたら「良い感じ」のカーブになるように位置を調整してください。
こんな具合になればいいと思います。
さらにさらに微調整、そして完成へ・・・
あとはもはや「自己満」の世界だと思います。
自分の納得のいくように造形を施してください。
一応、僕が作ったものの完成形を載せておきます。
これは・・・、リンゴでしょう!
とりあえず「リンゴのモデリング」は完成しました。
お疲れさまでした。
あとがき
リンゴを1つ作るにしても、様々なショートカットや、考え方が必要であることがお分かりいただけたと思います。
ここまでやってきた過程を何も見ずにひとりでできるようになれれば、超初心者は脱したも同然だと思います。
あとは自分で作りたいものをどんどんと作っていって、その過程で分からないことがあれば都度調べるという手法を取っていけば、自然と上達していくでしょう。
しかし「リンゴが五角形」などの雑学的なものは、しっかりと造形するときに「観察」をしていかないと見落としてしまいます。
作りたいものにもよるし、約に立つかどうかは知りませんが、造形のヒントとなるように常に周囲を観察していることを僕はオススメします。
そして「モデリング」が終わりましたので、次のステップである「マテリアル」や「テクスチャ」についての記事なんかも書いていきたいなぁと思いました。
それではこの辺にいたします。
お疲れさまでした。
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