【前編】超初心者向け! Blender2.8で「リンゴ」をモデリング! これで基本的なモデリングはバッチリ!
Blender2.8で「リンゴ」をモデリングしてみましたので、その過程をこの場を借りてご紹介いたします。
既にBlenderの基本操作はすでに身についている人や、「モデリングなんて容易にできるわ!」とでも言いたくなってしまうような人が、この記事を読んで得られるものは少ないと思います。
この記事はBlender2.8を独学でいじりだした方や、もしくはこれからBlenderを始めてみようと考えており、どういった手順を踏んでモデリングを行うのかが気になる方なんかを対象として書かせていただきます。
つまり「超初心者向け」です。
※その前に※
Blenderのダウンロード、インストールがまだの方は、こちらの過去記事をどうぞ。
また既に前編(当記事)を読み終えている方は、後編へどうぞ。
Blenderが独学で身につくか不安なかたは、こちらもお読みください。
超初心者向け、モデリング
さて、それではさっそくモデリングしていきましょう。
Blenderを立ち上げると、初期状態ではこのような立方体が存在していると思います。
デフォルトの状態では、この3Dモデルは「オブジェクトモード」の状態です。
モデリングをするためには、「オブジェクトモード」から「編集モード」に切り替える必要があります。
「オブジェクトモード」→「編集モード」
キーボードの「Tabキー」を押してみましょう。
そうすると立方体の頂点に、謎の黒い点が出現すると思います。
合わせて、先ほどまで立方体を包んでいたオレンジ色のアウトラインも消えたと思います。
この状態になったら「編集モード」になったサインです。
このモードにすることで、ようやく3Dモデルを編集して、変形させることができるようになります。
一応、画面の左上にある「オブジェクトモード」と書かれているところをクリックして、出てきたものの中から「編集モード」を選択肢てモード変更をすることもできます。
しかし慣れてくるといろいろと面倒になってくるはずですので、今の内から「Tabキー」による操作を身に付けてしまうことをオススメいたします。
編集するための「頂点」を増やす
さて、変形させることができる状態にモードを切り替えたら、さっそく手を加えていきましょう。
基本的にBlenderでは、「頂点」「辺」「面」の3つの要素をいじって、形を変えていきます。
それ以外にも変形させる方法があるにはあるのですが、主にこの3ついじることが多いです。
「編集モード」にしたことで、3Dモデルの角(すみ)に頂点が出現しましたね。
頂点は左クリックでドラッグすることで動かすことができて、3Dモデルの形態もその操作に追従してくるため、そのような形で立体の変形をすることができます。
しかし初期の立方体のままだと、頂点数はわずか8つ。
どう頑張っても8つの頂点でしか成立しない立体しか作ることができません。
そこで、まずは頂点を増やす操作をやっていきたいと思います。
「ループカット(Ctrl + R)」で頂点を増やして、3Dモデルを変形させる
頂点を増やす操作も、これまたいろいろありますが、今回は「ループカット」というものを使ってみたいと思います。
ループカットは「Ctrl + R」のキーでできます。
3Dモデルにマウスポインタを乗せた状態でこのショートカットキーを押すと、3Dモデルに黄色い線が出現するはずです。
この黄色い線は、そのときのマウスポインタの位置によって、縦に引かれたり横に引かれたり変わります。
今回は写真のように横に引きたいと思うので、もしも縦に黄色い線が出現してしまった人は、マウスポインタを適当に動かして黄色い線が横になるようにしてください。
そして黄色い線が横に引かれている状態で、2回クリックしてください。
そうすれば横方向にぐるりと一周線が引かれて、それに伴って3Dモデルの頂点数も12個に増えます。
「2回クリック」の理由
ちなみに「2回クリック」することにはちゃんと理由があります。
1回目のクリック=向きを決定、頂点の位置を確認
2回目のクリック=頂点の位置を決定
僕が「ダブルクリック」とあえて書かなかったのは、「1回目のクリックにもちゃんと意味があるから」なのです。
しかし超初心者がこの辺りの操作の仕分けをしようとすると訳が分からなくなってしまうでしょう。
なので「取りあえず『2回クリック』してループカットを決定してください」と表記をしたのです。
もしも手順を間違えてしまったら・・・ 1つ前に戻る(Ctrl + Z)
もしもループカットに失敗してしまったら、2回クリックを終えたタイミングで「Ctrl + Z」を押してください。
ひとつ前の工程(ループカット発動前)まで戻ることができます。
「Ctrl + Z 」はどんなPCソフトでも共通の操作なので、特筆することは特にないでしょう。
そして僕が何となく感じているのですが、Ctrl + Zのショートカットを利用することが、Blenderでは最も多いように思います。
(本当にBlenderを極めた人ならば、使うことが無いのかもしれませんが・・・。)
上面と下面を縮小する
ループカットで頂点を増やすことができたら、変形にもバリエーションが広がります。
リンゴらしく丸みを帯びせたいため、今の状態から上面と下面をそれぞれ縮小させて、やや球体気味に変形させていきましょう。
今の状態だと頂点の位置を変えて3Dモデルに変形を加えることしかできないため、ここで「面選択」をクリックします。
図は「頂点選択」が選択されている状態
面選択がクリックできれば、3Dモデルの頂点にあった謎の黒い点が消えたはずです。
その代わりに、3Dモデルの面をクリックすることで、面が黄色く変色するようになりました。
黄色く変色している面が、「現在選択中の面」ということになります。
そうしたらひとまずは3Dモデルの上面をクリックして、黄色くさせましょう。
3Dモデルの上面が黄色くなりましたら、ここで面の縮小のショートカットを入力します。
キーボードの「Sキー」です。
Sキーを押すと、マウスポインタの動きに合わせて、選択した3Dモデルの面が拡大したり縮小したりしだすはずです。
今回は「リンゴっぽい球体」を作っているわけですから、ちょうどいい具合に「縮小」させてください。
良い感じに縮小ができそうであれば、もう一度マウスを適当にクリックをすることで、その縮小を「確定」させることがきます。
こうして「上面」の「縮小」が完了しました。
同じことを3Dモデルの「下面」にも行いましょう。
「上面」と「下面」をそれぞれ縮小させると、おそらくこのようなものが出来上がったかと思います。
ループカットで作った中段の横線が「突っ張り棒」的な役目を果たしてくれているおかげで、上面と下面を縮小しても3Dモデルがつぶれませんでした。
「リンゴっぽい球体」に近づきましたね!
縦にも「ループカット(Ctrl + R)」する
このような形状になりましたら、縦方向にもループカットの線を入れてみたいと思います。
やり方はさっきと同じで、Ctrl + Rでループカットの黄色い線を出現させたら、それが今回は縦になるような位置にマウスポインタを動かして、その後2回クリックです。
おそらく今「面選択」の状態になっていますから、前回とは違って頂点にある黒い点が非表示になっていると思います。
しかしそれでも全く問題ないので気にしないでください。
縦方向に一周ループカットを施すことができましたら、真上から見たときに十字になるように、もう一周線を引いておくと後々便利になります。
もう一回同じようにして3Dモデルを縦方向にループカットしておきましょう。
真上から3Dモデルを見たときの写真(頂点選択モードにて)
真上から見たときに、十字に線が入っていれば、ここまでの工程は完了です。
「リンゴっぽい球体」から「リンゴっぽい形態」に変形させる
ざっくりとリンゴっぽい「球体」ができたので、ここからはよりリンゴっぽい「形態」を目指して作り込みを行っていきたいと思います。
ちなみにここからは視点を「上から」だったり「横から」だったり頻繁に変えるため、不安な方は再度テンキーの使い方を確認していただくのが宜しいかと思います。
実物のリンゴを上から見ると実は五角形
美大の受験を目指したことのある方であれば周知の事実だとは思いますが、上から見たリンゴは実は五角形です。
丸く描いてしまうとリンゴにはなりませんね。
3DCGの世界も同じで、五角形であることを意識していないとリンゴっぽい形態を作り込むことができません。
このためまずはテンキーの「7」を押して真上からの視点で3Dモデルを見てみましょう。
いろいろと線が入っていたりして見にくいかもしれませんが、今の状態では正方形のはずです。
まずはこの正方形を五角形にする作業から始めてみましょう。
「面選択」だったものを「頂点選択」に変えて、変形していきます。
とりあえずこんな具合に頂点の位置を変えて、五角形にしてみました。
しかしここでは完全に五角形にはしていないことに注意してください。
リンゴは五角形っぽくもあれば、球体でもあるわけです。
そのため、完全に五角形にしてしまうと、それはそれで違和感が生じてしまうのです。
「少し丸みを帯びた五角形」というとちょっと難しいかもしれませんが、それを意識するように形作ると良いように思います。
辺の「細分化」と頂点の「結合」
さて、このままだと頂点が足りずに、これ以上に作り込むことが難しくなってしまいました。
そこでまた頂点を増やしていきます。
先ほどと同じようにループカットを使ってもいいのですが、ループカットには「不必要な頂点を乱立させてしまう」というデメリットがあります。
「ちょっと何言っているか分からない」という人がいらっしゃれば、とりあえずはループカットの乱用は3Dモデルをゴチャゴチャさせてしまうため、今回は別の方法を使って頂点を増やそうとしていると思ってください。
今回使う方法は、辺の「細分化」と頂点の「結合」です。
一気にいろんな単語が出てきましたが、手順としては割と単純です。
まずは頂点をピンポイントで増やしたい箇所に検討をつけます。
この(↓)辺りに「縦方向の線が入っていたらいいなぁ」と思いませんか?
ここにピンポイントに線を引いて、頂点を増やすことができれば、真上から見たときの「丸っこい五角形」もより造形を極めることができると思います。
このような場所にピンポイントで線を引くには、まずは「辺選択」のモードにして、辺が選択できる状態にする必要があります。
そしてそのあとで、線を引き始めたい箇所を「Shiftキー」を押しながら選択します。
線の引き始る辺を、この操作で指定するのです。
次に2番目に線が引かれる辺をクリックします。
そして最後に、線を引き終える辺をクリックします。
この一連の操作をしている間は、Shiftキーは押しっぱなしです。
この操作に成功すると、写真のように3辺が選択された状態になるはずです。
Shiftキーを押しながら、①→②→③の順にクリック
一応、ワイヤーフレーム(透けた状態)で確認すると、こんな感じになっています。
(逆にこっちの方が見にくいか・・・?)
とりあえず3辺をこの順番でクリックしていくことが重要です。
Blenderには始点と終点の概念があるためです。
これらがずれると思い通りに造形ができない要因となってしまいます。
このように3辺が選択できたら、その状態でマウスの右クリックを押してください。
以下のようなメニューが表示されるはずです。
写真の方ではすでに青く反転していますが、一番上にある項目「細分化」をクリックしてください。
そうすると先ほど選択した3辺の中点を結ぶような辺が新たに生成されます。
真上から見ると以下のようになります。
向かって右上の辺の中点に頂点が追加されたことも分かると思います。
今の操作を、向かって左上の辺にも適用させます。
一通りのこの操作が終了すると「丸っこい五角形」が作りやすくなったはずです。
頂点の移動などをさせて以下の写真のようにしてください。
上面と下面と、それぞれに操作を加えるようにしてください。
上面と下面の変形が済んだら、真ん中の辺もちゃんと「丸っこい五角形」になるように調整してあげてください。
ここまでの操作で「丸っこい五角形」を上と下の面にそれぞれ作ることができたら、「リンゴのベース」の完成です。
更に深く作り込んでいきます!
辺の「ベベル(Ctrl + B)」で、より球体にする
この段階で、ようやくリンゴっぽくするための最低限の頂点数を確保できたように思います。
しかしZ軸方向(縦方向)に関しては、まだまだ頂点数が足りていません。
このため、ここで「ベベル」を使って、Z軸方向に面を増殖させていきたいと思います。
まずは上面から処理をしていきます。
辺選択モードにして、(使いまわしになりますが)写真のように辺をぐるりと一周選択してください。
選択ができたら、キーボードの「Ctrl」を押しながら「Bキー」を押してください。
辺のベベルが始まります。
拡大縮小の時に「Sキー」を押したと思いますが、その時と同じようにマウスポインターを任意に動かすことで、生成される面の大きさが決めることができます。
写真程の面の大きさに生成したいので、このくらいになったら左クリックを押してベベルを確定させてください。
とりあえずはこんな感じでいいかと思います。
下面については後ほど手を加えていきます。
ヘタの窪みをつくる
ヘタがついていると、なんともリンゴらしいオブジェクトを作ることができます。
ヘタとは、リンゴが木と繋がっている(繋がっていた)部分のことですね。
人間の赤ちゃんで例えるならば、へその緒に当たると思います。
この例えが適切なのかはよく分かりませんが、続いては「おへそ」に当たる部分を作っていきましょう。
「頂点ベベル(Ctrl + Shift + B)」で頂点から面を生成
頂点選択モードにしてから、上面の中央にある頂点を左クリックして選択します。
写真のような状態ですね。
この状態ができましたら、頂点ベベル(Ctrl + Shift + B)を発動させましょう。
頂点からベベルを行うことができ、頂点→面に生成を行うことができます。
通常の辺ベベルと同じように、マウスポインタを動かして面の大きさを決めたら、左クリックで確定です。
写真くらいに頂点ベベルできればいいかと思います。
できあがったこの面が、後ほどヘタの窪みになっていきます。
面の押し出し(Eキー)
できあがった面が選択された状態でEキーを押すことで、「面の押し出し」を行うことができます。
この操作も割とよく使うので、必ず覚えておきたいです。
Eキーを押して面を押し出すと、マウスポインタを動かして、どの方向に、どれだけ押し出すのかの調整に入ります。
任意の位置まで調整したあとで、左クリックをして押し出しの確定をします。
ここでも写真に面を押し出して、確定をしてください。
押し出したら「Sキー」を使って、できたがった面を縮小しましょう。
このままだと立体に穴ボコが開いているだけのようで、窪みに見えませんからね。
このくらいでちょうどいいように思います。
これで一旦は「ヘタの窪み」の造形は終了です。
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